BMWといえば、スーパースポーツやアドベンチャーバイクのイメージが強いですが、2020年4月に登場した衝撃的なモデルの存在を忘れてはいけません。そう、1800ccというクルマ顔負けの大排気量水平対向エンジン、通称”ビッグボクサー”を搭載したクルーザー「R18」です。
とにかく低く構えたスタイリングの迫力とエンジンの存在感がパねぇR18に、さらなるインパクトを誇るカスタムマシンが相次いで発表されています。
BMWのアイコン「キドニーグリル」を持つバイク!?
オーストリアのザルツブルクに本拠を置くカスタムビルダー、Bernhard Naumann氏が手掛けたのが、こちらの「The Blechmann R18」です。サイドバッグもケースもないですけれど、クルーザーながらスポーティなルックスを追求する様はカスタムハーレーに多いバガースタイルを彷彿とさせます。
なんといっても注目は大きなフロントカウル。ヘッドライト周りをみるとどこかでみたことのあるような形状……。
実はこれ、BMWのクルマでおなじみのキドニーグリルを模しているんです。ちょっと生物的な意匠も感じられて文句なしにカッコいい!腎臓というよりは、6パックの鍛え上げられた腹筋のようなたくましさ。
さらにタンクに至ってはナロースタイルに作り直され、かなりフレームとの一体感が高められています。シングル化されたシートとショートテールも相まってスポーティさが際立つモディファイです。ちなみにリアテールライトは世界最小ウインカーで有名なケラーマン製となっています。写真ではもはやどこについているのかわからないレベルですね……。
これだけ大幅な変更を行ったのだから、さぞ設計も詰めたんだろうと思ってしまうところですが、そこがNaumann氏のすごいところ。なんと1枚のスケッチすら行わず、インスピレーションとイマジネーションを駆使しながら現物合わせでスタイリングを作り上げていったそう。まさに職人技ですね。
あの有名デザイナーがR18をドラッグレーサーに
ハーレーやドゥカティといった名だたるメーカーと組み、カスタムバイクやバイクウェアのデザインを行ってきたローランド・サンズの最新作もまた、R18がベース。
彼が選んだスタイルはドラッグマシン。こちらはワンオフパーツをふんだんに使いつつ、純正のパーツをうまく活かす手法をとっています。
フレームは用途に合わせ、リアサスペンションを完全に取り除いてリジット化。エギゾーストは、ハンドメイドのステンレス鋼ツインメガホンシステムに置き換えられています。
一方で、ヘッドライトとタンクはオリジナルのR18のもの。アルミ削り出し部品のヘッドライトベゼルやカスタムペイントでドレスアップされているので、純正とは思えませんね。
足回りはBMWのスポーツモデルから純正流用。フォークはBMW R nineTから、フロントブレーキシステムはBMW S1000RRから採用することで戦闘力が高められています。
どちらもR18のもつ迫力と存在感を大幅にアップさせる好カスタム例。思い起こせばコンセプトモデルが最初にお目見えしたのも2018年のホットロッドカスタムショーでしたし、これからもイカしたR18改がどんどん投入されてくる!かも。