競争に勝ちたいという想いは誰しもが持って生まれた本能のようなもので、様々なスポーツ競技が生まれました。もちろん人の手で操縦しながら人間の何倍ものスピードで移動できるバイクもまた、競争させる文化が発達したのは言うまでもありません。
バイクの能力やライダーの技量を競う「レース」という競技が発展してくると、様々な地域で独自の進化を遂げ、様々なレースが生まれました。
今回は、そんなバイクレースにスポットライトを当て、誰もが知っているレースから、あまり知られていないユニークなレースまで幅広くご紹介していきたいと思います!あなたはどれくらい知っているか見ていきましょう!
とにかくスピード感が魅力!【ロードレース】
バイクレースと聞くとまず思い浮かぶのがロードレースではないでしょうか?ロードレースは舗装された道路を走るレースで、何と言っても圧倒的なスピード感が大きな魅力です。
特に有名なのは、ロードレースの最高峰とも言えるMotoGPだと思いますが、それ以外にも魅力的なレースが開催されているのです!もうちょっと詳しく見ていきましょう!
規模も華やかさも段違い!【MotoGP】
ロードレースの世界選手権でもあるMotoGPは、ホンダやヤマハ、ドカティなど、大手バイクメーカーが威信をかけて開発したモンスターマシンで繰り広げられる世界最高峰のロードレースです。
最高速度時速330km/h以上とも言われるバイクを操るため、ライダーも世界トップレベルの腕前を持つ人たちが集結します。
参戦費用も破格で、メーカーが参戦しているワークス系だと年間40億円、プライベーターでも数億円と言われています。さすが世界選手権…… 参戦するのにも段違いなお金が必要なのですね。観戦者の私たちからすれば、もはやショーを見ているかのような別次元の世界なんですね!
次世代の電動バイクレース【MotoE】
MotoEは電動バイクを使ったロードレースで、2019年からMotoGPヨーロッパラウンドと併催して開催されています。使うバイクは電動バイクですので、排気音は一切ありません。サーキットに響くのはモーターとミッションからの「キーン」という音のみ。
しかしモーターの特徴である加速時から湧き上がる高トルクは、エンジンのバイクよりもパワーがあるとも言われています。一方モーターを動かすために、大型のバッテリーが必要であるため重量はMotoGPの最低重量である157㎏を大幅に越える260㎏もの重量を誇ります。そのため、ラップタイムは排気量250ccの選手権「Moto3」クラスより劣ってしまいます。
ただし、ライダーは元GPライダーや世界的に有名なライダーばかりで、毎戦かなりハイレベルな戦いが繰り広げられています。これからの主流になる電動バイクでのレースは今後一気に広まる可能性があり、近々日本でも開催されることでしょう!
公道をぶっ飛ばす気狂いレース【マン島TTレース】
イギリスのアイリッシュ海にあるマン島と呼ばれる島の公道を、最高速度330km/hで駆け抜ける、なんとも気狂いなレースが毎回開催されているのはご存知でしょうか?
超高速で民家の横を駆け抜け、一度クラッシュすればガードレールの餌食になったり、崖から転落なども十分あり得るデスレース。
当然求められるのはミスせず攻め続ける必要がありますので、事前の選抜レースで実績を積んだ人しか参加できません。参戦するだけでも名誉のあるレースとも言えますね!さすがに一斉に走るとかなり危険ですので、1台1台時間差を開けて単独で走るタイムアタック形式となります。
こんなに気狂いなのに、1904年から100年以上も続く伝統的なレースで、今や「世界のホンダ」とも言われるほどのバイクメーカーホンダもマン島TTレースに参戦していた歴史があるほどです。
土の上の熾烈な攻防!【モトクロス】
舗装されていない道でスピードを争うモトクロスは、ロードレースと違ってジャンプやフープスなど3次元的な動きが求められます。使用するバイクはオフロード専用に開発されたバイクで、飛んだり跳ねたりするため、車高が高く、超軽量仕様なのが特徴的です。
単気筒でパンチがあるエンジン音は地響きがするほどの大迫力!全身を使うため、体力面ではどのレースよりも厳しく、マシン差というよりも、ライダーの技量が大きく左右される競技でもあるため、毎戦熾烈な争いが繰り広げられています。
ライダー2人の阿吽の呼吸が求められる!【サイドカークロス】
「モトクロスをサイドカー付き車両で走ってしまおう!」ということから始まったサイドカークロスは、オフロードバイクの車体に無理やりオリジナルのサイドカーを取り付けるかなりの荒技を見せるレースです!
日本では馴染みがありませんが、ヨーロッパではかなりメジャーなモータースポーツの一つで、世界選手権も開催されるほどの人気ぶり!
サイドカーに乗っている人はコーナーを曲がるたびにあっちこっちに重心移動して、まるで波乗りをしているように乗りこなします。もちろん接戦中にひっくり返ることもあるようです。
求められるのは速さだけではない!【エンデューロ】
エンデューロは、「ライバルとヨーイドン!」という形式でなく、ライバルよりも速いタイムで走り抜ける「タイムアタック形式」のレースとなります。
コースのほとんどは大自然の地形を利用し、細い山道や急斜面を登ったり、時には川を横切ったりと、まるで冒険しているような感覚になります。
また、「テスト」と呼ばれるタイムアタックコースをどれだけ最短で走り抜けるかを決めるだけでなく、「テスト」間の移動区間の「セクション」は規定時間以内に走らなければペナルティを受けるため、モトクロス的な技量も求められます。一時も気が休まることがない自分との戦いですね!
まとめ
一度は見たことがあるレースから、ちょっと変わった珍しいレースまで、様々なバイクレースをご紹介しました。気軽に移動できる乗り物であるバイクは、世界中で愛されており、たくさんのレース文化に発展していきました。
近年はYouTubeなどを利用すれば、どこでもレース観戦ができますので、気になるレースがあれば、ぜひ一度生で味わってほしいと思います。
また、できれば一度レースを生で見てみることをおすすめします。実際にレース場に足を運ぶと、匂いやスピード感、振動など、動画では伝わりきらない臨場感を味わうことができるでしょう。
さらにレースに興味が湧いたのであれば、自分で参戦するのもアリです!さすがにいきなり世界選手権には出られませんが、モトクロスやエンデューロなど、私たちでもできるレースもたくさんあります!興味が湧いたらぜひ参加してみてはいかがでしょうか?