情熱の赤、ヒーローものでセンターを飾るレッド、厨二病患者がハマりがちなクリムゾン。赤色って想像を掻き立てられる面白い色ですよね。キリスト教の宗教画では「血の色=生命」という意味で使われ、主に赤子を包む布や聖母マリアが纏う衣服の色として使用されたりします。
速そうなバイクといえば、赤に塗られたカラーリングを思い浮かべる方もおられるのではないでしょうか。ここでは人気の赤系バイク3台の紹介とイタリアのバイクがなぜ赤が多いのかを解説します。
速そうなバイクはやっぱり赤
赤く塗られたバイクを見ると、如何にも速そうと思ったりしませんか。
1990年代にロードレース世界選手権で活躍したマルボロカラーのヤマハ・YZR500や、スーパーバイク世界選手権で連戦連勝を飾ったドゥカティ916系、今期MotoGPのレプソル・ホンダやドゥカティ・ファクトリーなど、サーキットで先頭争いをしていたマシンは赤が目立ちます。
そのため、サーキットだけでなく公道走行の市販車でも赤のカラーリングは多くのモデルに採用されてきました。
赤がイメージされるバイクはどこか速そうなイメージが強く、これから紹介する3台のバイクもサーキットや街中、ワインディングでも映えるカラーリングとデザインです。
HRCワークスをイメージさせる赤!ホンダ・CBR1000RR
ホンダ・CBR1000RRは、初代SC28型BR900RRでは白を基調としたカラーでしたが、2代目モデル以降は赤を基調としたカラーリングがメインとなり、1000ccになってからはHRCワークスカラーを基調とした赤のカラーが、メインとなりました。
元々、ホンダやHRCはブランドカラーに赤が含まれるため、CBR1000RRの赤はホンダのフラグシップモデルを象徴するものといえます。
今度発売されるCBR1000RR-Rも大部分がレッドで覆われていますね。やはり主人公系な色使いは男の子のハートを的確に射抜いてきます。
イタリアンレッドの謎とは?ドゥカティ・パニガーレV4
イタリアといえば赤!ドゥカティもイタリアンバイクに代表されるように、車体のメインは赤色。中でも、パニガーレV4はフルカウルモデルということもあり、車体の全面が赤。他のモデルも赤がメインカラーとなっています。
フェラーリやアルファロメオなど、二輪・四輪ともにイタリア車は赤が多いかというと、1920年代に行われたレースは未舗装路で行われ、レースを終えると、どの車体も埃や泥まみれになり識別が難しくなり、モータースポーツ連盟が国別で色をランダムに定めました。
そのとき、イタリアは赤、フランスが青、イギリスが緑、ドイツはホワイトの後にグレーとなり、そこからドゥカティのみならずイタリアの自動車メーカーやバイクメーカーは、赤のカラーリングを採用していました。
歴史ある由緒正しいロッソカラー!MVアグスタ・ブルターレ
ドゥカティと同じくイタリアメーカーのMVアグスタは、日本メーカーが参戦を開始する以前のロードレース世界選手権で1958年から1974年まで17連覇を達成した名門メーカー。もともと、現行の市販マシン「F4」もMVアグスタGPマシンをイメージさせる赤/シルバーをシンボルカラーとして、赤を基調としたカラーをいくつか設定しています。
そんなMVアグスタのラインナップの中で、ブルターレシリーズに「ブルターレ800ロッソ」を発売。ロッソ(ROSSO)はイタリア語で赤を意味し、鮮やかな赤を纏っています。ロッソ繋がりですが、F1チームの「トロロッソ(Toro Rosso)」はつまるところ赤い牡牛、レッドブルのことを指していることが分かります。赤べこですね。
他モデルにない情熱的でビビッドな赤は由緒正しいMVアグスタが表すイタリアンレッドの真骨頂です。
まとめ
色彩心理学上、赤はアドレナリンの分泌を活発に効果やパワーを与えてくれる力強さを表現するために効果がある色とされています。そのため赤いバイクに乗ったライダーは、アドレナリン分泌の効果で速度を上げてしまう効果が無きにしも非ず。
速そうでアグレッシブルさを表現するには最適な赤ですが、速度を出し過ぎないように気を付けることも重要です。
【色で選ぶバイク】シリーズ