BMW R nineTをカーボン&イタリア革でリッチなスクランブラーにしてみた結果

有名高級ブランドの財布やバッグ、靴などに使われることが多いイタリアの革製品。特に、トスカーナ州で作られるレザーは、色や艶が美しく、さりげない高級感が漂う製品が多いことで知られています。

 

そんなトスカーナ州にあるショップが手掛けたカスタムバイクが、今回ご紹介する「スクランブラーR nineT」です。各部にあしらわれた地元製のレザー製品も相まって、レトロ感が演出されています。しかも、カーボンという最新素材のパーツも採用することで、走りもグレードアップさせた逸品となっています。イタリアのカスタムショップ「ARES DESIGN(アレスデザイン)」が手掛けた意欲的な作品を見ていきましょう。

 

 

ベース車はヘリテージ風ロードバイク

名称からも分かる通り、このバイクのベースモデルは2017年式のBMW R nineTです。1920年代から続くBMWのRシリーズをオマージュした、伝統の水平対向2気筒エンジン、通称ボクサーツインを搭載しているヘリテージスタイルのロードモデルとして知られています。

 

BMW R nineT

BMW R nineT(2017)

レトロなデザインの燃料タンクや丸目1灯ヘッドライトなどを装備する一方で、電子制御エンジンマネージメントシステムを採用。最高出力110psの大排気量1169ccエンジンを見事に扱いやすく調整しています。高性能な倒立フォークも相まって、心地良い走りも実現したモデルです。

 

BMW R nineTスクランブラー

BMW R nineTスクランブラー(2016)

そんなRnineTにはいくつか公式カスタムともいえるバリエーションが存在。オフロード車のご先祖様ともいえるスクランブラースタイルもその一つですが、アレスデザインのアプローチはまた違ったものになっています。

 

カーボンとレザーが見事にマッチ

まず、注目したいのがオリジナルの燃料タンクとヘッドライトです。見事に1920年代のBMW Rシリーズが持つ雰囲気を再現した秀逸なデザインなのですが、実はこれらの素材には前述のカーボンファイバーを採用。このバイクの雰囲気に合わせて、グリーン系のクロームカラーにカスタムペイントされています。

 

特に、大型の燃料タンクは、よくあるアルミ製や鉄製だと重くなり、走りが鈍重になりがちです。軽量・高剛性のカーボン製ならそんな問題とは無縁です。レトロなイメージだけでなく、高い走行性能も加味しています。実際、だいたいガソリンがほとんど入ってないときほど「今日はやたらとバイクが軽いな」と感じますし、タンク部分の軽量化が重要というのは体感としてわかりやすいところです。

 

一方、サブフレームをカットして、まるで宙に浮いているかのように見えるシングルシートには、これも前述したイタリア製レザーを使用しています。

 

また、燃料タンクの上部にあるベルトやニーグリップ部のカバー、ハンドルグリップなどもイタリアンレザー製。いずれも、さすが革で有名なトスカーナ州で作られただけあり、質感は最高。このバイクに、上品かつ高級なイメージを演出しています。

 

 

ワイルドな雰囲気を出すパーツも採用

ボクサーツイン特有の左右に突き出たシリンダーヘッドには、ダート走行時に飛び石から防御するアルミ製のプロテクションカバーも装備。このバイクにワイルドな雰囲気も加味しています。
また、グリップエンドに装着されたバックミラーやハンドルバー、前後フェンダーなどは、燃料タンクのカラーに合わせてグリーン系のクロームをペイント。全体に統一感とメカニカル感を演出しています。

 

さらに、ホイールには純正の前後17インチから、クラシックテイスト漂うKineo製のフロント19インチ、リヤ18インチに変更。ブロックパターンがスクランブラーらしさを強調するタイヤには、コンチネンタル製のマルチユースタイプ、TKC80ツインデューロを採用。サイドウォール部に施したホワイトリボン(白いライン)が、このバイクが持つおしゃれでレトロなイメージにうまくマッチしています。

 

ほかにも、フォークブーツ付きのフロントフォーク、オーリンズ製リヤ2本ショックなど、足まわりも徹底してビンテージなイメージを追求。それでいて、古くささはまったく感じさせない見事なビルダーのバランス感覚には脱帽です。

 

レトロだけど、さりげない高級感もあり、しかも新しい。そんな相反する様々な要素がうまく詰め込まれたこのバイクは、まさにイタリアの職人芸といえるものです。これなら、オフロードだけでなく、欧州のおしゃれな街中にも映えそうですね。

ARES DESIGN

公式サイト

平塚直樹

平塚直樹

クルマやバイクの新車やお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジー、カスタム車など幅広く記事を執筆中。バイクやクルマ系雑誌の編集者を経て、フリーライターに。愛車はCBR650R、猫好き。