バイクは乗って楽しむほかに、分解整備したり自分だけのオリジナルにカスタムしたりと、いじる楽しさもありますよね!
特にボロボロの旧車をカスタムして現代版として蘇らせるレストアは、国内外問わずバイク好きからの人気が高く、人によっては新車以上にピカピカなバイクを作り出す人もいます。
今回は、旧車としては非常に珍しい1982年式のBMW R45を現代版ににメイクし、さらに現代のパーツも使ったカスタムについて見ていきましょう。
ボクサーエンジン最小の排気量バイクR45は日本では30台しか販売されない超希少バイク
BMW R45は若者向けに開発されたスポーツ志向が強いモデルで、短いホイールベースと軽い車体で軽快なハンドリングが大きな特徴です。
また、当時からBMWの特徴とも言われてきた2気筒の水平対向エンジンを搭載しており、滑らかなエンジンフィーリングを実現しています。
さらに軽快に加速するために小型のピストンが採用され、最高速度は154km/h、燃費は20km/Lを記録。当時のバイクの中では非常に乗りやすく、入門用バイクとしても非常に人気があり、ヨーロッパを中心に、全世界で約28,000台もの販売台数を記録しています。
R45は、海外ではカスタムバイクビルダーに人気があることで有名で、ご紹介するR45は、イングランド南部のカスタム専門ショップSide Rock Cyclesが手がけています。エンジンやサスペンションは現代風にアレンジされ、見た目だけでなく走りも重視されているので詳しくご紹介します。
R45を詳しく見てみると
エンジンはシリンダーとヘッド部分が改造され、650ccにボアアップされています。また、大きくなった排気量に合わせてキャブレターは34mm径のMIKUNI製へと交換されています。MIKUNIと言えば日本のメーカーですので、バイクのメカ好きであればこのキャブレターの形でピンとくるのではないでしょうか?
ウインカーは左右のハンドルバーの先端に内蔵され、ヘッドライト周りはかなりスッキリした印象ですね!ハンドルバー内蔵型のウインカーなんて日本のバイクではほとんど見かけませんので、ちょっと近代的でSFチックにも見えます。
タンクは明るめのシルバーで再塗装され、サイド部分はBMW発祥のドイツの国旗をモチーフにペイントされています。ちなみに黒の部分はカーボン調が採用されており、まるで現代のモデルのようなデザインとされています。
もちろんサイレンサーやマフラーも完全オリジナルとなっています。軽量で錆びにくいステンレスが使われており、さらに熱を持ちにくいセラミックコーティングも施されています。
テールランプをあえて最小限の大きさにし、後方2本出しの位置として活用しているところがかなりマニアックとも言えますね!また、シートは大きすぎずスタイリッシュな形状をしています。チェック柄の縫い目はデザインだけでなく、滑り止めとしても効果があるため、機能性も考えられています。
フロントフォークのサイドに刻印されたBMWの刻印がR45の特徴でもあります。足回りは当時の構造をそのまま残しつつ、ブレーキホースは熱を持っても膨張しにくいメッシュホースを採用しています。デザインはもちろん、走りの面でも妥協しないというカスタムショップの意気込みが感じ取れますね!
当時のデザインは壊さず現代のカスタム部品と融合している理想のカスタムバイク
このバイク、ロンドンで開催された2019 Bike Shed Showでも展示されるほどクオリティが高い作りで、多くのレトロバイク好きを魅了しました。当時のデザインはそのままで、壊れたところや足りないところは現代のカスタム部品をうまく融合させ、当時以上の性能を発揮させています。
レトロなバイクをカスタムすることは、自分だけの唯一無二のバイクを作ることでもあります。バイク好きであれば一度は憧れるレトロバイクのカスタム。整備の腕前が上達してきたら、ちょっと自分でチャレンジしてみてはいかがでしょうか!