今回紹介するバイクは1980年式のBMW R80 / 7をベースにスクランブラーバイクへとトランスフォームしたSide Rock Cyclesの「BMW R8t」です。写真からもかっこよさがかなり伝わるかと思いますが、このバイクが誕生するキッカケとなったのは、バイク好きなオーナーの非常に贅沢な要望でした。どういうバイクになっているのか、覗いてみましょう。
Side Rock Cyclesがこのバイクの製作を始めたキッカケ
このカスタムバイクを製造するキッカケとなったのはビルダーの友人であるRichie氏。「ツインチューブサスペンションを搭載したスクランブラータイプのBMWのバイクを手に入れて、すでに所有している1976年式のホンダ CB550 Cafe Racerとの2台体制で気分に合わせて運転を楽しみたい」というなんとも贅沢な希望を持っていたのです。
これは推測ですが(おそらく合っている)、カフェレーサーとスクランブラーの2台でオンロードとオフロードを使い分けようという算段でしょう。実際、このカスタムバイクにはダンロップ製のオンロード・オフロードの両方向けのタイヤが装着されています。
往年のBMWをイメージしたデザインがかっこいい
Side Rock CyclesのR8t M-Sportを一目見てまず気がつくのは、何と言っても往年のBMWのモータースポーツカラーリング(つまりワークスカラー)です。
このカスタムバイクの製作にあたって、白・赤・紺・水色という往年のBMW モータースポーツカラーをにすることが、方向性を決める際に決められています。なおこの決定の際、煙突のように真っ直ぐなマフラー及び最新の電装部品を取り付けることも同じく決められています。
クラッシックな雰囲気を醸しながらもキッチリと綺麗に仕上げられている点は、さすがカスタムバイクといったところです。
エンジンもチューニング済
エンジンは一度車体から降ろされ、ピストンリングの変更、シリンダーヘッド研磨、クラッチ交換、電気式イグニッションとタイミングチェーンキットの採用などが為されています。エンジン表面はサテンブラックで仕上げられ、モダンで落ち着きのある感じがグッドです。
フロントフォークも再研磨されてピカピカ。ブレーキと新たに取り付けられた調整幅の広い(いじれるところが多い)ガス・サスペンションキットはSide Rock Cycles R8t M-Sportの自慢要素です。
SRC製の軽量スクランブラーフレーム、ブラックレザーで革張りされて「BMW R」のステッチが施されているシートも良い味を出しています。
こちらはキャブレターとエアフィルターの写真。キャブレターは定番のミクニ製、キャブレターはボア径が大きくされ、エアフィルターもハイフロータイプが採用されています。ピンク色の透明なホースとキャブレターそしてエアフィルターが織りなすこのメカニカルな感じ、良いじゃあないですか。
2本だしで直線的に取り付けられているステンレスマフラーやエキパイといった排気系パーツは強い存在感を放っていて、昔ながらのデザインという感じです。
電装系は最先端のものへ
最後に注目しておきたいのが最新化された電装系。ヘッドランプ、テールランプそしてインジケーターにはLEDを採用、モトガジェット製プッシュボタンスイッチ、コントロールユニット、純正よりもパワフルなスターターモーター、軽量リチウムイオンバッテリー、コンパクトなオリジナル配線ケースなど、1980年式のバイクとは思えない充実ぶりです。
かっこいいバイクの2台持ちは最高である
スクランブラータイプのカスタムバイクはカスタム界隈では良く見かける定番です。舗装と未舗装のどちらもいけるので、砂利道などを軽快に走ってみたい方はスクランブラータイプをもう1つ仕入れてみてはどうでしょうか。かっこいいバイクの2台持ち、最高です。
Side Rock Cycles