まじかよ!幻の機体「SUZUKI GT750S Vallelunga」を完全レストア!?

イタリア産のスズキ、というと非常に耳慣れない感じがしますよね。トリノに拠点を置くスズキのディーラーSAIADによって限定生産され、レーサーたちに個人的におよそ100台のみ販売された幻のスズキ車。それこそが「SUZUKI GT750S Vallelunga」です。

近年、こちらの沈没船に眠るお宝を新品同然にまで復活させた職人がいたそうで、今日はそちらのニュースをお届けします。

 

SUZUKI GT750S Vallelungaって?

先述の通り、こちらのマシンはオフィシャルなものではなく、あくまでスズキのディーラーがオリジナルで販売していたGT750のカスタムバイクです。

当時、最高時速225㎞をたたき出したこちらのマシンは、その優雅な見た目からも人気を勝ち取り、本家のGT750の売り上げに貢献するほどの影響力がありました。そのうちスズキもこの「ヴァレルンガ」を公式商品であると認めるという異例の事件がありました。

 

当時の純正のGT750よりも10馬力ほど力強く、245㎏もあった重量を190㎏にまで抑える偉業を成し遂げた機体でした。Figaroli製の軽く効率的な排気システムを取り込み、Angelo Menani製のクリップオンタイプの軽量なガラス繊維ボディを採用していました。

 

40年前のヴァレルンガをレストア!?

そして今回こちらのヴァレルンガをレストアして見せたのは、同じくイタリアに工房を構えるSoiatti Moto Classicheでした。元モトクロスレーサーのDaniele Soiatti氏が1978年に開業し、今では息子のAberto Soiatti氏と2人で切り盛りしています。

そんな彼らのもとに運び込まれたヴァレルンガは、製造ラインの中でも35番目に製造されたおじいちゃん。ガレージに20年もの間正座しっぱなしのマシンでしたが、これよりよっぽどひどいバイクたちを立ち直らせてきた彼らにとっては、どうやら朝飯前だったようです。

 

まず最初に、なぜか取り付けられていた水冷3気筒のエンジン(以後のGT750のもの)を、オーナーが同じくガレージに保管していた本来のエンジンと交換しました。クランクシャフトはリバランスされ、チェーンやベアリングもすべて交換されました。

エンジンケースはサンドブラストで一旦丸裸にして、再度防腐・耐熱のコーティングが施されました。Figaroli製のマフラーはところどころ凹み、傷ついていたため、叩き直し溶接することで修復されました。

 

もう40年以上も年をとったガラス繊維製のボディはだいぶボロボロになっていましたが、Soiatti親子はこれを廃棄して別のもので再現する、という手段はとらずに丁寧にレストアしていきました。カラーリングは今のスズキのレーシングブルーに塗装され、しっかりとコーティングを施されています。

さすがにシートは修復不可だったようで、新品のブラックレザーシートに交換されています。

 

それ以外の部品はシンプルに一旦バラして再仕上げするに留まりました。再度組みなおされた機体は工場出荷時と全く同じスペックで再び大地に足を付けました。

 

Alberto Soiatti氏は「ヴァレルンガは完璧に元の状態に戻せた。どこも変化がないようにしたよ、こういうバイクは元あった状態をリスペクトすべきだからね」と語ります。幻のイタリアンスズキはこうして現代にて息を吹き返しました。

 

それにしてもすさまじいレストアですね、ウン十年も眠っていたバイクをピッカピカに仕上げて組みなおす、というのは言葉にすれば短いですが、非常に根気と熱意のいる作業でしょう。伝説を取り戻してくれたSoiatti Moto Classicheに感謝です。

 

参考-BIKEEXIF