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かくして個性とコスパは実現した。3分で振り返るスズキのバイクと歴史

かくして個性とコスパは実現した。3分で振り返るスズキのバイクと歴史

日本が誇る4大バークメーカーのひとつであるスズキ。ヤマハやカワサキ、そしてホンダと比較して「マニアが多い」ことが特徴といえるでしょう。スズキのバイクから離れられない人を「鈴菌感染者」というくらい、ハマる人にはガツンとハマるほどです。

その理由を歴史から紐解いていくと、彼らの気持ちが見えてきます。特徴あるビジュアルや圧倒的コスパなど、マニアの心を掴んで離さないバイク作りはいったいどのようにして完成されたのでしょうか。

 

【黎明期】補助エンジン付き自転車「パワーフリー号」の誕生

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スズキの原点は織機機械メーカーとして誕生した1909年にまで遡ります。その後、第二次世界大戦を経て、バイク事業に乗り出したのは1952年のこと。後に2代目社長となる鈴木俊三氏の「釣りに行くときの自転車にエンジンがついていたら楽だな」という思いを形にしたものが、スズキ初の二輪車「パワーフリー号」でした。搭載するエンジンはわずか36cc。今の原付にも満たない程度ですね。

 

バイクメーカーとして転機となったのは、パワーフリー号を改良した60ccの「ダイヤモンドフリー号」の誕生。このバイクで、日本のレース史において記念碑的ともいえる「富士登山レース」にて優勝を納めます。バイクレースが一大娯楽だった時代ということもあり、その圧倒的な性能が世間に周知され、ダイヤモンドフリーは大ヒットモデルとなります。

 

以降の技術力向上は目まぐるしく、数々のレースで実績をあげていきます。イギリスの歴史あるバイクレース「マン島TT」でも、1963年にスズキの車両で日本人ライダーが優勝を実現したほどです。

性能を追いながらも地に足のついたバイク作りをやめない。そんなスズキのスタンスは「生活に寄り添ったバイク」が原点にあるからなのかもしれませんね。

 

【発展期】ケルンの衝撃「カタナ」が生産開始される

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1970年代になると空前のバイクブームが訪れます。1982年のピーク時には329万台と、近年の10倍以上の生産台数を記録しました。

そんな中、スズキは持ち前の高い性能を確保しつつ、さらにデザイン性を追求したバイク「GSX1100S KATANA」を西ドイツで行われたケルンモーターショーにて発表します。日本刀をイメージしたという唯一無二のスタイリングは「ケルンの衝撃」ともいわれたほどバイカーの熱い視線を集めました。その後、日本の排気量規制に合わせた750ccを皮切りに、250ccや400ccモデルといった普通自動二輪クラスも後年にラインアップされ、ロングセラーモデルとなります。

 

映画「西部警察」で舘ひろし氏が黒いカラーリングのカタナに乗っていたことも、バイカーを興奮させました。また、当時はバイクにあだ名をつけるのが流行っていたようで、それぞれ下記のような愛称もついています。

 

  • GSX1100S:刀
  • GSX750S:脇差
  • GSX400S:小刀
  • GSX250S:カッターナイフ

 

GSX-R系はジスペケだったり、GT380はジーティーサンパチだったりとカタナ以外のモデルにも面白い呼び名がついています。それだけバイクが身近な存在だったことの表れかもしれませんね。

 

長らく人気だったカタナですが、最後までラインアップに残った1100Sも2000年には排ガス規制のあおりを受けて惜しまれつつ生産が終了してしまいます。しかし、2020年現在でもまだまだ愛好家は多く、状態のいいものは200万円越えは当たり前とプレミア価格がついているほど。2019年には新型カタナも登場し、往年のファンが歓喜したのは記憶に新しいところです。

 

「ハヤブサ」で300km/h競争に勝利する

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発展期の代表的なバイクとして「GSX1300R HAYABUSA(ハヤブサ)」も欠かせません。

1990年代になると最高速の追求がメーカーのトレンドとなります。カワサキ ZZR1100やホンダ CBR1100XXなどリッター越えの圧倒的なエンジンパワーを背景に200km/hを優に超えるスピードを実現していました。「他社より少しでも速く」という果てのない競争に決着をつけたのが、1998年に登場したハヤブサです。市販車で初めて312km/hオーバーをマーク。その後EUの規制もあり、2016年のカワサキ H2Rのチャレンジまで世界最速市販車の座をほしいままにしました。

 

そんなハヤブサも2019年にはとうとう排ガス規制に対応しきれず生産終了しています。復活を待ち望む声が後を断たないくらい、今でも根強いファンを抱えるモデルです。

 

【成熟期】生活に寄り添ったバイクを生産する

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2000年になると排ガス規制の強化も始まり、徐々にバイクブームが落ち着きを見せ、製造台数も減少傾向に転じます。各社が苦戦する中、スズキは得意とする低価格かつ高品質のバイクで生き残りをかけていきました。

 

筆者が特に注目したいのは、通勤快速の代名詞ともいえるスクーター アドレス125です。フロント12インチの大きめタイヤのおかげで、クラス以上の安定した走りを見せてくれます。足を置くフロアボードはフラットな形状で、2Lのペットボトル6本入りのダンボールがきちんと載せられるくらい広々。乗り降りのしやすさや足を置く位置の自由度まで確保されていて、まさにスクーターに求められる利便性がすべて詰まっているモデルなんです。その上、新車価格も税込みでたった24万7,500円というリーズナブルさ。

 

他にもアドベンチャータイプであるV-ストローム、スポーツタイプのGSX-Rシリーズなど、どれを取っても他のメーカーに見劣りしないラインアップを揃えています。その上でより安い、コスパのいいバイクを生産しているわけですから、スズキの商品開発力には脱帽です。

 

スズキの高い性能とデザインがマニアを魅了してきた

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レースでの活躍に始まり、デザインと性能で成長を遂げ、その方向性を受け継ぎつつコスパで成熟してきたスズキ。同社の会長の鈴木修氏は「人と同じ事はやらない。やるなら世界一を目指すのがスズキ。」と名言を残していますし、これからも独自路線を突っ走って、マニアを唸らせていくことでしょう。

筆者的にはそろそろ世界最速の座に返り咲いてほしいところ。ターボつきハヤブサのデビューお待ちしてます!

Writer: じゃこ

Information

スズキ株式会社
公式サイト

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