潤んだまんまるお目目にこらえるような口元……ぴえんという声すら聞こえてきそうな”表情”を持ったスクーターが台湾ヤマハから登場しました。その名も「ビノーラ」。見ようによってはムーミンやウサビッチといった人気キャラクターにも見えることからSNSを中心に話題を呼んでいます。
懐かしさと新しさを融合したら……まさかのカワイさ
もちろん、台湾ヤマハはこうしたキャラクター性を前面に押し出して開発したわけではありません。新しさ(New)と懐かしさ(Retro)を組み合わせた造語「Newtro(ニュートロ)」をコンセプトに、クラシックとトレンドのデザイン要素をうまく落とし込んだ結果がこのビノーラなのです。
でも見れば見るほど個性を主張してきます。同型の丸目二眼ヘッドライトは、LEDの配置も相まってどこかハイライトの入ったアニメ目のようにも見えますし、滑らかに膨らんだフロントはまるでくちばしのよう。ウインカーに至ってはほっぺのチークみたい……。
このままイラストに起こせばゆるキャラ化できるんじゃないかってくらい、かわいらしいデザインで完成されています。街で見かけたら、しばらく目が離せなそう。豊富なカラーバリエーションがまたステキです。
上級グレードの「ビノーラM」に至っては黒縁メガネにしか見えないヘッドライトガードに、唇のようなフロントガーニッシュを装備しています。黒いシルクハットを被せたらもはやムーミンパパ!?
使いやすさもきっちり確保
ちなみに心臓部には国内モデルでも小排気量車に搭載されているヤマハの低燃費エンジン「ブルーコア」を採用しています。排気量は125ccで、燃費は1Lあたり57.7kmとかなりのもの。あくまでカタログスペックですが、125ccクラスのスクーターとしてはトップクラスなのは確かです。
車体も94kgと軒並みライバルたちが100kg超えしていることから考えれば頭ひとつ分軽量。シート高も約75cmとかなりの低さ。150cm台の小柄な女性でもラクラク乗れちゃうんじゃないかってくらいフレンドリーです。
キーシリンダー横には現代人に必須のUSB充電ポートだってあります。後付けしなくていいですし、充電ケーブルの取り回しがしやすいのはうれしいポイント。
ちょっと足に使ってみたくなるビノーラですが、現在のところ日本への導入は未定とのこと。現地ではビノーラが約28万円〜、ビノーラMが約29万円〜で販売されているので、価格としては参考になりそうです。
好き嫌いは分かれそうですけど……コアなファンがつくことは必至。街に色とりどりの”カエル顔”があふれたら、なんだか風景が明るくなりそうですよね。
ヤマハ ビノーラ主要諸元
全長×全幅×全高:1710 × 665 × 1090mm
シート高:745mm
車両重量:94kg
エンジン型式: 空冷4ストローク単気筒2バルブ
総排気量:125cc
変速機:AT
燃料タンク容量:4L
タイヤサイズ:前 90 / 90-10 50J/ 後 90 / 90-10 50J
価格:7万6900台湾ドル