ツラツラと2019年発売予定モデルを眺めて行く本企画。海外勢のMVアグスタ「Supervelo 800」、「BMW R 1250 GS Adventure」に続けて、国内勢からはスズキの入魂の1台新型「KATANA」を紹介しました。
なんだか2019年はニューモデルの当たり年のような気がしてきました。そんなこんなで、今回はカワサキ「W800」&「W800 Cafe」を取り上げてみます。
カワサキ「W800」が再々登場と呼ばれるワケは……
カワサキ「W800」の生産が終了したのは2016年のこと。最後を飾るファイナルエディションが発売されてしまったのであります。
「W800 ファイナルエディション」の詳細は上掲過去記事に譲りますが、1973年に登場した「650RS W3」を彷彿とさせるカラー&グラフィックと、専用エンブレムを採用。「W3」と同じく、塗装段差の少ない4度塗りの塗装工程を採用するほどコダワったモデルでした。
クラシカルな印象を高めるホワイトパイピングが施されたシート。それにサイドカバーも「W3」的でカッコいいと……マニア心をくすぐるナイスな出来栄えとなっています。
そもそも、この”Wシリーズ”は、1999年2月に発売された「W650」が、その源流。以後、普通二輪免許でも乗れる「W400」が登場。そして2008年9月の排出ガス規制強化による両モデルの販売中止後、2011年2月に「W800」が登場した、という経緯があります。以降、「W800」はネオ・クラシックジャンルにおいて、日本メーカー製最大排気量モデルとして、確固たる地位を築きました。
しかし……本モデルが”ファイナルエディション”として登場してから僅か3年。あっという間に再度のリバイバルモデルとして「W800」&「W800 Cafe」が再々登場するのです。
コレが新しいカワサキ「W800」&「W800 Cafe」だ!
さてさて、そんな過去の経緯もありながら、再々登場した「W800」がコチラ!
昨秋開催のEICMA2018(ミラノショー2018)で世界初公開されました。そして早くも2019年春以降に国内でも発売すると明言されております。
再々登場することになる「W800」ですが、再登場だった前モデルから何が変わったのでしょうか?
一番新しいのは……このカフェレーサーバージョン「W800 Cafe」が追加されたことと言えましょう。前モデルで追加アクセサリー(オプション)として用意していたカウル&シングルシートを若干手直しして標準装備したものです。
以後、この「W800 Cafe」の写真を使ってディテールを説明して行きます。
まず「W800」&「W800 Cafe」最大の魅力であるエンジン。空冷並列2気筒の773㏄、それにベベルギヤ駆動SOHC4バルブは変わらず。ボア×ストロークが77×83mm、圧縮比8.4:1も不変。
コレはファンにとっては嬉しい情報でしょう。
一方で、ご覧のようにベベルギヤカバーのデザインが変更されており、またシリンダーヘッド前方、ホーンの後ろに追加されているのは(公式情報ではありませんが)恐らくきっと、チャコールキャニスターだと思われます。バイクの平成28年排出ガス規制への対応不可ということで消えた「W800」を復活させてくれた立役者がコレではないでしょうか?
コチラはフレーム。ご覧のような古典的なデザインのダブルクレードル。
フロントフォーク&フロントブレーキは不変と思われますが、フロントフェンダーはご覧の通り。スチールのクロームメッキから、恐らくきっと樹脂製に変更されたと思われます。取り付けもステーが廃されています。
これはコストダウン目的でしょうが、残念な部分です。まぁアルミフェンダーとかアフターマーケット品に交換すれば良い話なので良しとしましょう!
「W800 Cafe」はタンクパッドが搭載されています。
それにカウルとセパレートハンドル、クラシカルなデザインのメーカーも、恐らく、ほぼ前モデルから踏襲しているはずです。
ということで、ライダーズビューはこんな感じ。気分満点!実に良い具合に仕上がっているのであります。
「W800」&「W800 Cafe」の再々登場は喜ぶべきか?
ということで今回は、再々登場することになった「W800」と、その派生モデル「W800 Cafe」をご紹介してみました。
が……コレって、どうなんでしょうね?ヤマハ「SR400」が再登場したときも思ったのですけど、わざわざファイナルエディションを発売しておいて3年後に復活させるのって、商売のやり方として残念な気がするのは筆者だけでしょうか?「ファイナルならば……」と買った方も居たはずです……
国内メーカー共通の新手法として定着した感のあるファイナルエディションですが、願わくば生産終了させず、継続生産できるよう、開発を進めて頂きたいと思うのです。排ガス規制は突然施されるワケではないのですから……とは言え、最も美しいネオレトロモデル「W800」の再々登場と、カフェレーサー「W800 Cafe」の投入は嬉しい限りなのですが……。