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「耐水」は落とし穴!? 知らないとヤバい防水あれこれを解説

「耐水」は落とし穴!? 知らないとヤバい防水あれこれを解説

近年はテクノロジーの発展で、さまざまなものが耐水や防水性能を持っています。耐水や防水は便利なのですが、そもそも「耐水と防水って何が違うの?」と思ったことはありませんか?

今回の記事では誤解されがちな耐水機能について具体的な製品をあげながら解説いたします。

 

耐水ってそもそも何?

「耐水」は落とし穴!? 知らないとヤバい防水あれこれを解説

耐水とは、goo国語辞書によると「水がしみ通らないこと」と定義されており、文字どおり水の侵入を耐えることとされています。

耐水機能を備えた商品やモノでみてみると、雨などの水気がモノに染み込まないように耐えられる機能をもっているといえます。

耐水の仕組みはモノによってさまざまですが、たとえば衣料品であれば衣類の表面には通常の生地を使い、その裏側に防水生地を取り付けることで水の侵入を防ぎます。

また、水に濡らしても表面で水を弾いてしまう耐水紙というものがありますが、耐水紙の場合は一般的な紙ではなく、合成で作られた紙のため耐水性があるのです。

 

防水や撥水とは何が違うの?

「耐水」は落とし穴!? 知らないとヤバい防水あれこれを解説

世の中の製品には耐水性があるとされるものから、「防水機能」や「撥水性バツグン」などとアピールされているものもありますが、耐水と違いはあるのでしょうか。

まず防水ですが、防水機能と表示されるものの大半は衣料品に使用され、生地と生地の間に隙間ができないように埋めつくして、水が入ってこないようにするものです。

次に、撥水(はっすい)とは、goo国語辞書では『布・紙などが、表面で水をはじくこと』と定義されており、商品やモノに限定されません。

撥水機能の具体的な例としては、バイクやクルマのガラスに付着した雨水を弾いてくれるガラコなどのコーティング剤があげられます。

耐水と防水は似たような意味なので混同してもミスマッチは起こりにくいですが、撥水はモノの表面で水を弾くだけで、水の量が増えれば水分が侵入してくるおそれがあるので注意が必要です。

 

どんな水分でもカバーできるの?

「耐水」は落とし穴!? 知らないとヤバい防水あれこれを解説

防水機能や耐水機能があると書かれた商品を見ると、雨や水没させても壊れないと思いがちですが、防水や耐水機能がある製品はあらゆる水分を防ぐことはできるのでしょうか。

結論からお伝えすると、耐水機能はメーカーが規定したIP規格の範囲内の水分であれば防ぐことが可能ですが、規定以上の水分が侵入すると防水されません。

また、IP規格はあくまでも水道水を想定して規定されているので、お湯などに水没させると故障してしまうので、防水機能があるといってもお湯はカバーの範囲外なため注意が必要です。

 

IP規格とは?

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IP規格とは国際電気標準化会議で規定した、防塵や防水性能を数値化した規格のことです。IP規格は商品やモノで表示する場合、「IP67」といったような二桁の数字であらわします。

 

IP67を例にしてお伝えしますが、10の位が防塵性能、1の位が防水性能を示しており、数値が高くなれば高くなるほど性能が強くなります。

防水機能の数字は0から8の9段階で表示され、0が防水機能なし、8が水中での使用が可能なレベルを示しているのです。

 

IP67の場合は、防水性能8段階目に相当しますので、一定時間内は水中で使用しても水が侵入してこないこと(=防浸形)をあらわします。

そして問題の「耐水」は防水性能7段階目、正式名称「耐水形」にあたり、あらゆる方向からの強い水噴射に対して有害な影響がない、という性能です。つまり、水中使用には耐えられないのです。

 

具体的な製品にどの程度の防水機能があるか、いくつかピックアップしましたので参考までご覧ください。

また、各段階ごとの防水性能は日本工業標準調査会などで一覧にして公開されていますので、お手元の製品がどの程度の防水性能があるかお知りになりたい場合はそちらをチェックしてみてください。

 

SONY ワイヤレスイヤホン WF-SP700N

「耐水」は落とし穴!? 知らないとヤバい防水あれこれを解説

スマートフォンなどに使用できるワイヤレスイヤホンも今では防水性能がついていて当たり前になりつつあります。

ソニーが手がけるワイヤレスイヤホン「WF-SP700N」にも防水性能が搭載されており、規格であらわすとIPX4に相当します。

IPXとはIP規格における防水性能だけをあわらしており、防水や耐水性能が4であることを意味しているのです。

防水性能4は、どんな方向から飛まつが飛んできても故障などが起こりにくい(=防まつ形)ことを示しており、ワイヤレスイヤホンであれば雨水にさらしても故障しにくいといえます。ただ、水没するとお釈迦になってしまいます。

 

iPhone Xs

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スマートフォンの人気ブランドであるAppleが手がけるiPhoneにも防塵・防水機能が搭載されています。

iPhoneXsの場合、IP68が付与されており、防塵性能6、防水性能8(=水中形)をあらわしています。防水性能8とは、IP規格が定める防水機能の最高レベル(2019年9月4日現在)をあらわしており、水中で使用しても問題がないとされるレベルです。

なお、古い騎手のiPhone7の場合は、IP67と防水性能が1段階下がるので、長時間水面下での使用はできないということになります。

 

まとめ

耐水や防水は日常でもよく見かける用語ですが、詳細な違いがわかりづらく、IPと表示されていてもピンとこないのが実情です。

防水や耐水機能があるからといって完璧ではなく、規定された性能以上の水にさらしたりお湯を使えば故障するため注意しなければいけません。

もしお手持ちの製品やモノに防水、耐水機能がある場合、万が一のことを考えて今一度性能を見直してみてはいかがでしょうか。

 

参考-写真AC, Unsplash
Writer: S.H

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