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お茶飲みバイク……?カフェレーサーってなんだろう

お茶飲みバイク……?カフェレーサーってなんだろう

当メディアにおいても、タイトルや記事内で度々目につく「カフェレーサー」なる単語。ざっと見る限り、あまりに多岐にわたっていて、どんなものかを言い表すのもなかなか難しいのではないでしょうか。

 

そもそもカフェレーサーとは一体どういったバイクなのでしょう。その名に込められた秘密を発祥から探っていきます。

 

カフェレーサーの発祥

カフェとレーサー、由来を知っていないと何の関係があるんだ?という感じですね。

ところが、実のところ由来は言葉どおり「カフェに向かうレーサー」そのものなんです。

 

第二次大戦後のアメリカでは、戦場での生活に慣れ過ぎてしまって平穏な暮らしに馴染みきれなかった若者たちが、こぞって軍の払下げのバイクを安く手に入れてスピードにスリルを見出したことからバイクブームの様相を呈します。

 

とある地方の町での1947年のイベントに、町の人口に匹敵するほどのライダーが押し寄せて半ば暴動となった事件があり、その事件は後に「The Wild One(邦題:乱暴者あばれもの)」として1953年に映画化され、主演のマーロン・ブランドの衣装は後のライダー / バイカーのスタイル/ ファッションに大きな影響を与え、黒革のライダージャケットに黒革やデニムのパンツとエンジニアブーツでバイクに乗るという、ロッカーズというファッションムーブメントを巻き起こします。(※)

 

一方イギリスにおいても同様の社会的な流れから、24時間営業の広い駐車場のあるロードサイドカフェに、多数のロッカーズたちがたむろするようになります。

あるものは草レースの相手を募り、あるものはマシン談義に講じ、あるものはナンパに勤しみ、気が向けば飲食もできるいったところで、現代の日本においても特定のパーキングエリア等の同様の環境では目にできる光景ですね。

(※)イギリスで映画が上映されたのは1968年になってからなので、ロッカーズの革スタイルの源流はイギリスの気候と目的(街道レース)に合致しての必然という説もあります。

 

お茶飲みバイク……?カフェレーサーってなんだろう

発祥の地といわれるカフェ「ACE CAFE LONDON」。一度は閉店の憂き目にあったものの有志が再開した。

そんな彼らが、カフェへの到着までであったり、町のブロック1周であったり、特定地点までの折り返し等といった公道レースに興じるのに乗っていたマシンがカフェレーサーと呼ばれるようになったのです。敢えて日本で判りやすく表現するなら「街道レーサー」のほうがしっくりくるのかもしれません。

 

そのディテールはどのようなものだったのでしょうか。

 

カフェレーサーの特徴は?

カフェレーサーは1950~1960年代当時のレーシングマシンを範として「速く走る」ために改造された、まさにレーサーレプリカの先駆けともいえるものです。

 

低いハンドル

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当時のレーシングマシンの設計思想として、とにかく最高速を稼ぐというものがありました。

攻めたコーナリングで勝負をかけられるほどにはタイヤが未熟だったために、低く絞ったハンドルで前荷重による操縦性を意識した……というよりも、ライダーとマシンがいかに一体となって前面投影面積(空気抵抗)を減らすかが主な目的でした。

 

カフェレーサーにおいては、レーシングマシンに倣っての高価につくセパレートハンドルだけでなく、左右一体のバーハンドルを上下逆に付けるといった手法も見かけることができます。

 

ロングタンク

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これもハンドルと同様に、上体を余さずぴったりと伏せることにより空気抵抗を減らし最高速を稼ぐための工夫です。

 

バックステップ

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ハンドルを低くして上体の前傾姿勢を強めるほどに、足を後方にずらすことによって、さらに伏せやすくなります

 

シングルシート

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レーシングマシンがお手本ですので、シートもシングルが基本です。

 

カウリング

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これも空気抵抗を押さえて最高速を上げるため、レーシングマシンに倣って装着されることの多かったものです。

 

効率化・軽量化

レーシングマシンと同様に、抜けの良いマフラーとエアクリーナーを廃した直キャブ、バッテリーレスや片ミラーなど、耐久性や快適・利便よりもとにかく走行性能に偏重した構成で、公道での違法遵法はオーナーの考え方次第で、走行そのものに不要なものは可能な限り取り外されます

 

答え:クラシカルなレーシングスタイルと手法で速さや粋を追及したバイク

現代においては様々なジャンルとの交雑や新しい解釈や使い勝手により、一言でカフェレーサーと言っても、上記の例にそっくりとはあたらないものも多数あります。

 

例えばカワサキのこの2台はともに「カフェ」を名乗っていますが、ライポジはゆったりしたもので、「レーサー」とは名乗っていないだけにアグレッシブなイメージは薄くなっています。

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このようにメーカー製カスタムは、法規制の遵守と万人に向けての安全という面もあり、極端なところのない比較的おとなしく纏まったイメージとなる場合が多いようです。

 

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逆に市井のカスタムビルダーによるものでは、一見しただけでは公道走行に必要な保安部品が全て揃っているのかさえ判別できなかったり、ベースマシンがまるで不明なほどに、割り切ったり再構築しながら研ぎ澄まされたものも多く、そこがまた各ビルダーのセンスと技術力が光るところだったりもします。

 

狭義でのカフェレーサーは前述のとおり「1950~1960年代のレーサーレプリカ」ですが、この先もちょっとしたビルダーの思い付きの具現化や様々なベースマシンによる「クラシカルなレーシングスタイルと手法で速さや粋を追及」した広義でのカフェレーサーの枠は拡がっていくことでしょう。

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Writer: Kenn

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