【平成の名車を振り返る】ヤマハ「マジェスティ250」がビッグスクーター・ブームを生み出した!

【平成の名車を振り返る】とき、外すことが出来ないのがビッグスクーター・ブーム。今回は、それを生み出したヤマハ「マジェスティ」をご紹介してみたいと思います。

 

初代ヤマハ「マジェスティ250」は1995年に登場!

コチラがその初代「マジェスティ250」1995年モデル。本企画の趣旨に賛同したヤマハ発動機さんより、ご提供いただいた写真です。ありがとうございます!

さて、1995年と言えば……昭和の終わりから続いたレーサーレプリカ・ブームが終わりを迎え、変わってカワサキ「ゼファー」や「CB400 Super Four」といったネイキッドモデル、それにホンダ「スティード」、ヤマハ「ビラーゴ」なんかのアメリカンモデルなどが人気を集めていた時代。今では至って普通、ありふれた存在ともなったビッグスクーターですが、当時は未だビッグスクーターというジャンル自体が、明確には存在していなかったのです。

 

ここでは写真と共にご提供いただいた当時のリリースを転載しておきます。

ヤマハ発動機は、新開発の250cc水冷単気筒エンジンを搭載して”スポーツ性と快適性”を調和させた高級スクーター、ヤマハ「MAJESTY(マジェスティ)250」を1995年8月20 日より新発売する。

<商品の概要>

国内の250ccスクーター市場は年間8,000~10,000台前後で安定推移している。用途は通勤、ツーリング等が中心だが、”長距離走行時の一層の快適性”を求めるユーザーニーズが近年増えている。

ヤマハ「マジェスティ250」は上記の背景の中、”スポーツ性と快適性を兼ね備えたプレステージコミューター”をキーワードに新開発したモデルである。

ということで、既に年間10,000台もビッグスクーターは売れていた、ということですから、「マジェスティ250がビッグスクーター・ブームを作った、というのはどうなのよ?」という苦情がホンダ「フュージョン」を愛する方々から苦情が来ることも理解できます。「フュージョン」は確かに先駆者として立派でしたし、あの四角い個性的なエクステリアが若者にカルト的に人気を得ていたのも理解します。

が、「マジェスティ250」が多くの若者にカスタムされたからこそ、あのビッグスクーター・ブームが始まったのも、また事実ではないでしょうか?

 

ちなみにコチラが、そのホンダ「フュージョン」。確かに今見てもユニーク。そして長い!

ですが残念なことに「平成生まれ」ではありません。発売開始は1986年4月のこと。当時のリリースを見てみると……

“二人でゆったり”新感覚軽二輪スクーター「ホンダ フュージョン」を発売

二輪車の気軽さと四輪車の快適さを兼ね備え、市街地走行や長距離ツーリングが二人でゆったり気軽に楽しめる、新感覚の250ccスクーター

と記載されています。ということで、元祖ビッグスクーターは誰だ、となったら……もう、どちらでも良いかな、という感じでしょうか。

 

さて、「マジェスティ250」に戻ります。ヤマハが当初狙っていたのは、スポーツ性と快適性を兼ね備えたプレステージコミューター。ということで、ターゲットは若者ではなくて、むしろ原付二種からのステップアップだったり、あるいはセカンドバイクとしてのニーズであったと言います。

そうしたニーズに応えるため、「マジェスティ250」はヤマハらしいスポーツ性を備えておりました。ですから「マジェスティ250」は、後にヤマハが「スポーツスクーター」と称するジャンルの源流にあたると考えることもできます。

 

搭載するのは新開発された水冷250cc単気筒エンジン。また、加速ポンプ付きキャブレターを採用しており、優れたスロットルレスポンスを実現していました。変速は普通にVベルトによる無段変速。車体を見てみますと、バッグボーンタイプのフレームに、前後12インチタイヤをクラス初採用していました。

優れたウィンドプロテクション性能を誇るボディマウントのフェアリング&ナックルプロテクション、それに大容量収納スペースを確保。「マジェスティ250」は実にユーザーフレンドリーな1台でありました。

 

また前ブレーキキャリパーが2ポッドとされており、優れたストッピングパワーを確保していた点も見逃せません。これはタンデム使用が多かった当時の若者にとって、実は嬉しいポイントだったはずです。さらに、シートには、好みのポジションや体格に合わせて調整できる可変バックレストを採用して、快適性を高めていました。

ということで、スポーツ性と快適性を高めた250ccスクーター「マジェスティ250」ですが、その実用性と快適性の高さに眼を付けた若者から支持されて、圧倒的な人気を得て行ったのは、ご存知の通りです。

カラーラインアップは、ここまでに掲載した”コンペティションシルバー”と”ディープレッドカクテル2″、それに”ブラック2″の3色でした。

 

初代ヤマハ「マジェスティ250」のスペック

  • 全長×全幅×全高:2,110×765×1,330mm
  • ホイールベース:1,500mm
  • シート高:700mm
  • 車両重量:147kg(乾燥)
  • エンジン種類 / 弁方式:水冷4ストローク単気筒 / SOHC2バルブ
  • 総排気量:249cc
  • 内径×行程:69.0×66.8mm
  • 圧縮比:10.0
  • 最高出力:21PS / 6,500rpm
  • 最大トルク:2.4kgf・m / 5,500rpm

 

カスタム感溢れる「マジェスティC」が追加!

想定外にも若者から支持されることで人気を誇った「マジェスティ250」ですが、1999年にモデルチェンジを受けて2代目となり、19999年10月15日に発売されました。モデルチェンジにあたっては“快適革新”がキーワードとされており、商品力が大幅に向上されていました。

  • エンジン性能の向上(加速時及び高速走行時)
  • 新設計フレーム採用による剛性感及び走行性能向上
  • 居住性を向上させ、かつスポーティで高級感溢れる外観デザイン
  • フルフェイスヘルメット2個収納可能なシート下収納スペース(量産スクーター世界初)

が施され、これにより爆発的ヒットモデルとなったのであります。

で、ここに掲載しているのは、そんな2代目に追加されたバリエーションモデル「マジェスティC」。2002年6月に発売が開始されました。

 

この”C”はCustomの頭文字。カスタム人気を見たヤマハが、あらかじめソレっぽくしてくれていたわけです。具体的には……

 

  • ショートスクリーン
  • パイプハンドル
  • 5連ホワイトメーター
  • メッキミラー
  • 質感溢れるパンチング&パイピングシート

などを装備しており、“ストリートカジュアル・お洒落・クール”といった「マジェスティ」の持つ雰囲気を一層引出しつつ、カスタム感溢れるボディを実現した製品とされていました。

 

当時のリリースによりますと、年間販売計画は10,000台! とのこと。ビッグスクーター・ブームの凄まじさを感じることができます。

 

ヤマハ「グランドマジェスティ250」はアルミ製フレーム採用!

「マジェスティ」の勢いは止まりません!2004年には250ccスクーターとしては初のアルミ製フレームを採用した「グランドマジェスティ」が登場しました。

 

大人気の「マジェスティYP250」の扱い易さをそのままに、一層の郊外ツーリングでの快適性、高速道路での余裕の走行性、タンデムでの快適性などの要素を向上させ、ワンクラス上の操縦安定性と快適性を具現化させたモデル。それが「グランドマジェスティ」でした。

ヤマハ独自のアルミ鋳造技術によるDiASil(ダイアジル)シリンダーを初採用した新エンジンと、250ccスクーター初となるアルミ製フレーム(CFアルミダイキャスト)など、随所に先端技術を投入。より一層、基本性能を高めた意欲的なモデルでした。

 

「グランドマジェスティ」が発売された2004年のプレスリリースが凄いことを語っていますので、一部抜粋して掲載しておきます。

国内の軽二輪スクーターは現在急速に伸長を示し、2003年は過去最高の40,000台超の需要となりました。これは年間80,000~90,000台で微増傾向にある軽二輪(126cc以上)市場の約2分の1にあたります。この市場をリードしているのが1995年夏の発売以後軽二輪スクーターの定番として人気のヤマハ「マジェスティ」シリーズです。2002年は国内銘柄の出荷としては14年ぶりに軽二輪単独銘柄20,000台超を記録し、2003年も1万7,000台の出荷見込みとなっています。

ビッグスクーター・ブームの盛り上がりを伺い知ることができます。

 

「マジェスティ250」が築いたスポーツスクーターという新ジャンル

こうしてビッグスクーター・ブームの立役者となった「マジェスティ250」ですが、残念ながらその使命を終えてしまいました。

が、快適性・利便性を有しつつカッコいい、そしてスポーティ性能を併せ持つヤマハの一連のスクーターは、スポーツスクーターを築いたと言えます。そのDNAは、この「TMAX530」に最も色濃く残されていると言えましょう。

 

ご存知の通り、ヤマハの250ccビッグスクーターはグローバルモデル「XMAX」に引き継がれていますので、ご安心くださいませ……

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