ドゥカティと聞けば多くの方が思い浮かべるのはLツインエンジン搭載のスーパースポーツモデルでしょう。なのですが、当サイトでも既にお伝えしていますように……
そのドゥカティが今秋開催されたミラノショーにて、次世代スーパスポーツ・モデルとして、V4エンジンを搭載した「Panigale V4」を発表したのです。
しかしもちろんドゥカティは、40年近くにもなるLツイン搭載スーパースポーツ・モデルの伝統を投げ捨てたワケではありません。
数々の伝説を生み出してきたLツインエンジン搭載モデルの頂点として、同じミラノショーにてスポーツ・バージョンの「959 Panigale Corse」を発表したのです。
今回は、MotoGPにインスピレーションを得た専用カラーリングを身に纏う正統派ドゥカティ、「959 Panigale Corse」を復習しておきましょう。
Lツインモデルの最高峰が「959 Panigale Corse」
本車両は、総排気量955ccのスーパークアドロ(L型2気筒)エンジンを搭載。最高出力は150ps / 10,500rpm、最大トルクは102Nm / 9,000rpmを誇ります。これによりサーキットでは優れたパフォーマンスを発揮します。
Lツインエンジンの熟成が進んだ結果、メンテナンスサイクルも長くなっています。これだけのハイパフォーマンスエンジンでありながら、バルブクリアランス点検・調整は、2万4,000km毎に設定されています。
シャシーの賢い設計にも注目したいところ。鋳造アルミニウム製のコンパクトなモノコック構造をベースに、エンジンをシャシーの構造部材として使用。これにより高剛性を実現しています。
また、シリンダーヘッドに直接固定されたシャシーのフロント側には、2つのアルミニウム製ブッシュに挟まれたステアリングヘッド・ベアリングが一体化されて組み込まれています。このモノコック構造はフレームとして機能するだけでなく、エアクリーナーボックスの役割も果たします。さらに、モノコック内部には、エアフィルターに加えてスロットルボディとインジェクターを含む燃料系パーツの多くが収められています。
熟成が進んだ伝統のLツインエンジンを高剛性&マルチファンクションのモノコックシャシーに搭載した「959 Panigale Corse」。機能パーツの類も手抜きは一切ありません!
例えば前後足回りには、高品質なオーリンズ製品を採用。フロントには窒化チタン・コーティングが施されたマルチアジャスタブル43mmNIX30フォークを装備。公式リリースでは言及がありませんが、ブレーキは勿論ブレンボ製品を奢ります。
リアにはマルチアジャスタブルタイプのオーリンズTTX36ショックアブソーバーを装着しています。
さらにオーリンズ製のアジャスタブル・ステアリングダンバーも装備しています。
そして排気系には、型式認証を取得したドゥカティ・パフォーマンス製チタニウム・デュアルサイドエグゾースト(アクラポビッチ製)を装備しています。
この辺りは、Lツインエンジンの最高峰として企画された本モデルにあっては、もはや驚くことはありません。
ちなみに車両重量(装備)は、リチウムイオンバッテリーと上掲エグゾーストの効果により、197.5kgに仕上げられています。
そして留めは、MotoGPにインスピレーションを得た専用のカラーリング。グッときます!
もちろん電子制御系も最先端でして……
- ライディング・モード(レース、スポーツ、ウェット)
- ドゥカティ・セーフティ・パック(ABS、DTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール))
- EBC(エンジンブレーキコントロール)、DQS(ドゥカティ・クイック・シフト)
を装備しています。
Lツインモデルは熟成が進む!
いかがでしたでしょうか?「コレぞ正統派ドゥカティ!」と叫びたくなるような熟成が進んだLツイン搭載の最高峰モデル「959 Panigale Corse」。
V4モデルが登場しようとも、恐らくきっとドゥカティは当面、Lツインモデルの生産は止めないはず。その進化は今後も熟成の方向に向かうことでしょう。それはそれで楽しみです!
「959 Panigale Corse」のスペック
- 全長×全幅×全高:- × – × – mm
- 軸距:1,431mm
- シート高:830mm
- 車両重量:197.5kg(装備)・175,5kg(乾燥)
- エンジン:水冷4ストローク・スーペルクワドロ・デスモドロミック可変バルブ、L型2気筒4バルブ
- 総排気量:955cc
- ボア×ストローク:- × – mm
- 圧縮比: –
- 最高出力:110kW(150hp)@10,500rpm
- 最大トルク:102Nm(75lb-ft)@9,000rpm