先月イギリスで開催されたイベント「Motorcycle Live Show」にて興味深いモデルがリリースされました。イギリスの老舗ブランドであるアリエルが発表した「Ace R」です。
ユニークなアルミフレームに眼を奪われる
まずはユニークな形状のアルミ製ペリメターフレームに眼を奪われます。コレこそが現代のアリエル社のアイコン的なポイントです。例えば…
同社がリリースする四輪スポーツカー「ATOM」や、
「Nomad」でも採用されています。
「Ace R」のフレームは鍛造アルミ削り出しの構成要素を溶接するという大変手の込んだもの。ベースとなった「Ace」から軽量化を果たしています。また、リアアームはご覧の通り片持ちです。
特筆すべきは、21.4度というキャスターアングル。ネイキッドモデルではありますが、鋭敏なハンドリングを狙っていることが想像されます。
エンジンはホンダ「VFR1200F」用をベースにアリエル独自のチューニング。200bhp=149.15kW もの高出力を発生します。イギリス仕様の「VFR1200F」は 127kW ですから、大幅にパワーアップされています。
構成パーツは実に豪華!
ハイパーネイキッドであり、プレミアムモデルでもある「Ace R」、フロントフォークはオーリンズ製の倒立。ただし内部はアリエル独自のチューニングが施されており、スプリングレートとバルブが変更されています(詳細は不明)。
ブレーキの詳細は公表されていませんが、写真で見る限りフロントはブレンボ製モノブロックです。
ガソリンタンクや前後フェンダー、サイドカバーといった外装類はすべてがカーボン製。徹底した軽量化を実施しています。
前後17インチサイズのホイールは南アフリカのBST社製のカーボンを採用しています。
イギリスのアリエルとは?
アリエルは、かつては世界中にモーターサイクルを輸出し、GPレースでも活躍していたイギリスのメーカーです。1870年にはオーディナリー型自転車を発売、第一次世界大戦前から四輪レースで活躍した、老舗中の老舗メーカーです。モーターサイクルの世界では、シングルの「レッドハンター」から「スクエア4」が知られています。
そんな同社ですが、やはり日本メーカーの攻勢にあながいきれず、1973年の「Healey 4」をもって生産が終了しました。
現在のアリエル社は、2000年に現在も販売を続けるスポーツカー「Atom」で復活を果たして以降、ハイパーネイキッド「Ace」をリリース。ハイエンドなユーザーにターゲットを絞り、一定の成功を収めています。
さて、気になる「Ace R」のお値段ですが…5万ポンド(約750万円)。流石に高価すぎな気がしますね。
それなら「VFR1200F」ベースでカスタムした方が……、というのは貧乏人のやっかみでしょうかね?