モータリゼーションの電動化は、クルマだけでなくバイクでも着々進められています。BMWも新たな電動バイクのコンセプトモデルを発表し、老舗メーカー・BMW伝統ボクサーツインを100%電気で走る電動バイクで忠実に再現しました。
BMWが本気で電動バイク参入を計画中!
BMWグループの二輪車部門、BMWモトラッドは、9月開催のフランフルトモーターショー2019でコンセプトモデル「ヴィジョンDCロードスター」を出展しました。
BMWのバイクは90年以上の歴史をもち、伝統のボクサーツインエンジンを継承しつつテレレバー・パラレバーといった独自の技術を生み出しバイクを作り出してきました。
電動バイクでは既にバッテリーとモーターで走るスクーターを登場させ、電動バイクでのノウハウは既に持ち合わせており、ヴィジョンDCロードスターがコンセプトモデルモデルとはいえ実車化も近いかもしれません。
BMW電動バイク・ヴィジョンDCロードスターとは
ヴィジョンDCロードスターは、今年6月にBMWモトラッドが発表した電動バイクのコンセプトモデルであり、フランクフルトモーターショーで実車が初めて公開されました。
BMW製バイクの特徴といえば、ボクサーツインエンジンが挙げられます。
近年のラインナップでは並列4気筒や並列2気筒といったモデルが増え、BMWのボクサーツインの影が薄れている感はありますが、今なお、ボクサーツインはBMWバイクのアイデンティティともいえ、シャフトドライブの片持ちスイングアームも一目でBMWとわかる部分。
ヴィジョンDCロードスターでは、BMWの伝統に残しながら電動バイクを具現化させたものです。
ボクサーツインを残した電動パワートレイン
電動バイクでボクサーツインを具現化を表現するため、本来エンジンが搭載される部分に縦型バッテリーに置き換え、バッテリーの両サイドに冷却ファンを装着。冷却ファンが車両サイドから凸に突き出し、ボクサーツインのシルエットを表現しています。
冷却フィンのようにスリットが設けられたフレームもデザイン性の向上に貢献。
ユニバーサルシャフトの片持ちプロアームやフロントサスペンションのデュオレバーもBMWに採用されてきた技術なため、一目でBMWとわかる電動バイクになっています。
ヴィジョンDCロードスターの設計は、1923年にマックス・フリッツ氏が開発したBMW・R32と同様に、最適な気流の場所に冷却効果を狙うという思想をそのまま再現しています。
BMWのアイデンティティは電動化されたバイクにも適用できることを表しています。
BMWの伝統を残しつつハイテク電動バイクを生み出す
今回の発表で、マシンのスペックは公開されず、BMWが近いうちに新型電動バイク発売を確約するような発表もなされていません。
それでも、ヴィジョンDCロードスターを公にしたことはBMWが本気で電動バイクの開発を進めているということです。
伝統を残しながら最新テクノロジーを活かした技術を電動バイクでも実現させようとするBMWのこだわりと技術力には唸らされるところです。