国内最大の二輪ショー「東京モーターサイクルショー2016」。今回も、国内外の様々なメーカーが自慢の新型車やコンセプトモデルなどを展示。見るだけで楽しくなるイベントだ。
当然、ドイツの有名メーカーBMWモトラッドも出展。今年はどんなバイクがメインなのか、ワクワクしながら覗いてみると…ブースのメインとなるお立ち台には、なにやらコンパクトなストリートファイター・スタイルのバイク。排気量313cc!? 数多い1,000cc前後の高級ビッグバイクよりも、普通自動二輪免許で乗れるBMWを大々的にアピールしていたのだ!
「S1000R」譲りのスタイル
その名も「G310R」。以前、for Rideでもお伝えしたし、一週間前の「大阪モーターサイクルショー2016」にも展示されたので、ご存知の方も多いだろう。ヘッドライト一体型の小型フロントカウルに、低めのバーハンドル、シャープなテールカウルなどを採用。BMWの1,000ccストリートファイター「S1000R」の流を受け継ぐ、アグレッシブなスタイルだ。
ボディは1,000cc版より明らかにコンパクト。全長1,988×全幅896×全高1,227mm。「S1000R」は全長2,057mmなので、69mmもショート。車両重量は158.5kgとかなり軽量で、シート高は785mm。取り回しが楽で、足着き性も良好。ビギナーにも乗りやすいバイクといえるだろう。
エンジンを後傾マウント
エンジンは水冷4ストローク単気筒で、最高出力34ps / 9,500rpmを発揮。スチール製フレームに搭載しているのだが、マウント方法が面白い。通常、エンジンはシリンダーヘッドを前方へ向けてマウントするのだが、このバイクは逆。180°後方へ傾けて、排気も後方から出す方式を採用している。これにより、シリンダーやクランクケースなどエンジンの重たい部分を前方へ置き、フロントタイヤへの荷重をアップ。また、低重心化も実現する。長めのスイングアームとの組み合わせで、抜群のハンドリング性能が実現できるのだ。
走りはかなり軽快そう
ミッションは6速、41mm径の倒立フロントフォークや150mm幅のリヤタイヤなども採用し、走りはかなり軽快そうだ。
国内発売はいつ頃?
ちなみに、「G310R」はインドで生産されている。最近、国内外のメーカーでは、東南アジアやインドで高まっているバイク人気もあってか、現地で生産するモデルも数多い。BMWもその辺りは同じのようだ。国産メーカーの125ccスクーターのように、現地モデルを日本へ投入する流れは今後も多くなるかもしれない。
ともあれ、ビギナーや女性ライダーが乗りやすいサイズのバイクが増えれば、ライダー数の底上げにも繋がる可能性は高い。普通自動二輪免許で乗れるという点もポイントが高い。教習所で取れるとはいえ、大型自動二輪免許は費用なども含め、依然ハードルが高いのだ。
今年はドゥカティも400ccの「スクランブラー・シックスティ2」を出したし、ビギナー向けにこのクラスが充実するのはいい事だ。
さて、この「G310R」は「いつ頃、どれくらいの価格で発売されるのか?」諸々が興味津々だ!
参考 – BMWモトラッド ジャパン