ホンダが誇るスーパースポーツの最高峰モデル「CBR1000 RR」と、そのチューンド・バージョン「CBR1000RR SP」の発売が開始されましたね!
昨秋のミラノショーで発表され話題を集めた本モデル、楽しみにしていた方も少なくないのでは? 国内販売開始に合わせて復習的に各部を徹底解剖しましょう!
CBR1000RR / CBR1000RR SPとは
高性能な水冷4ストロークDOHC直列4気筒1,000ccエンジンを搭載、徹底した軽量・コンパクト化や新たな電子制御技術を採用するなど、総合性能を高めた大型スーパースポーツモデル「CBR1000RR」と……
同車をベースに足回りなどの専用化とさらなる軽量化を図った一人乗り仕様の「CBR1000RR SP」がフルモデルチェンジされ、発売されました!
今回発売された「CBR1000RR」は、1992年発売の初代モデル「CBR900RR」から継承されてきた開発コンセプト「トータルコントロール〜操る楽しみの最大化」の進化を図るため、「ネクストステージ“トータルコントロール”操る楽しみの進化」が開発テーマとされています。
直列、4気筒1,000ccスーパースポーツ・クラス最軽量の車両重量とマス集中化がもたらす軽快性、出力向上と扱いやすい特性を両立したパワーユニット、ファンライディングをサポートする電子制御技術を採用し、操る楽しみを追求したCBRシリーズの最上位モデルです。
「CBR1000RR SP」には、走行状況に応じて減衰力を制御し最適な特性を提供するÖHLINS(オーリンズ)製 Smart ECシステム採用の電子制御サスペンションのほか、ブレンボ製フロントブレーキキャリパーを装備。また、より一層の軽量化とマス集中化を図るため、リチウムイオンバッテリーを搭載したほか、公道用量産車として世界初のチタン製フューエルタンクを採用するなど、よりスポーツ走行時の楽しみを視野に入れた特別な仕様としています。
CBR1000RR / CBR1000RR SPのディテール
クラス最軽量の車両重量とマス集中化がもたらす軽快性
メインフレームはエンジンハンガーの剛性を最適化するなど、応答性の向上とさらなる軽量化を実現し。新デザインの前後ホイールのほか、新設計のアルミダイキャスト製シートレール、それに新構造のチタン製マフラーなどを採用しています。
また車体各部の徹底的な軽量化を追求することにより、大幅な軽量化とマス集中化を実現しています。
「CBR1000RR SP」には、従来モデルと比べ大幅な軽量化を図ったリチウムイオンバッテリーや……
公道用量産車として世界初のチタン製フューエルタンクを採用。軽量化とマス集中化による軽快感あるニュートラルなハンドリング特性に寄与します。
出力向上とコントローラブルな特性を両立したパワーユニット
バルブタイミングおよびリフト量、圧縮比などエンジン諸元の最適化と、スロットルボアの拡大、マフラー構造の最適化など吸排気系のセッティングを組み合わせ、低回転域の力強いトルク特性と高回転域の出力向上を両立しています。
スロットルグリップ開度をセンサーで検出し、ECUがスロットル・バイ・ワイヤモーターに駆動信号を送ることでスロットルバルブを制御する、スロットル・バイ・ワイヤシステムを採用。スロットルボアを拡大しながら低開度からコントローラブルな特性を実現しています。
アシストスリッパークラッチを新設計。従来モデルと比べ、クラッチレバーの操作荷重を低減するとともに操作フィーリングを向上しています。
左側クランクケースカバー、オイルパンを従来のアルミからマグネシウムに変更したほか、新構造のチタン製マフラーを採用するなど、より一層の軽量化とマス集中化に寄与しています。
ÖHLINS(オーリンズ)製 Smart ECシステム採用の電子制御サスペンション
「CBR1000RR SP」には、走行状況に応じて最適な減衰特性を提供するÖHLINS Smart ECシステムを採用。減衰性能を自動的に調整する「自動モード(Aモード)」は、あらかじめ設定されている3つのモードから選択が可能。
さらにライダーによる調整を可能とする「ÖHLINS Object Based Tuning interface」を搭載。減速・加速など状況ごとのパラメーター調整により、各走行特性に応じて自動的に減衰力調整し、ライダーの好みに合った挙動変化を提供。また、「マニュアルモード」ではサスペンションセッティングを任意に調整することが可能です。
SPのフロントブレーキキャリパーはブレンボ製
ブレンボ製フロントブレーキキャリパーを装備しています。
最新の電子制御技術を満載!
「CBR1000RR」・「CBR1000RR SP」には、最新電子制御技術が満載されいます。例えば……
IMU(Inertial Measurement Unit)により、車体の角速度、加速度を検出し、Honda独自のアルゴリズムで車体姿勢を推定。スーパースポーツ専用ABS、Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC;ライダーのアクセル操作を補助するシステム)、また「CBR1000RR SP」ではÖHLINS Smart ECシステムと組み合わせることで、走行状況に応じた“操る楽しみ”を提供しています。
また、HSTCを装備しています。これにより、ライダーの好みに応じて、9段階のトルクコントロール介入レベルとOFFの選択が可能となっています。
車輪速センサーからの前後輪回転速度比率よりECUが後輪スリップ率を算出。IMUからの車体姿勢情報と合わせ、エンジントルクの抑制を必要とした場合にスロットルバルブ開度をコントロールすることで、コーナリング時や加速時の後輪スリップを抑制します。
前後の車輪速センサーの信号から、加速時の前輪浮き上がり(ウイリー)挙動中に生じるフロントタイヤの減速とリアタイヤの加速を検知した際、フロントタイヤが接地し加速状態に転じるまでスロットルバルブ開度を下げてトルクを減衰することで、ウイリーを緩和します。
CBR1000RR / CBR1000RR SPの価格は?
エンジン・車体に最新技術を投入されているのみならず、それら性能を最新電子制御技術で統合、扱いやすさをも手に入れているところが、「CBR1000RR」・「CBR1000RR SP」の凄いところです。
車両本体価格(消費税込み)は……
- CBR1000RR(マットバリスティックブラックメタリック):201万4,200円
- CBR1000RR(ヴィクトリーレッド):204万6,600円
- CBR1000RR SP(ヴィクトリーレッド):246万2,400円
です。かなり高額なモデルではありますが、性能・扱いやすさを考慮すれば、むしろバーゲンプライスかも知れませんね。
CBR1000RR / CBR1000RR SPのスペック
〈 〉内はCBR1000RR SP。
- 全長×全幅×全高:2,065×720×1,125mm
- ホイールベース:1,405mm
- シート高:820mm
- 車両重量:196〈195〉kg
- エンジン種類 / 弁方式:水冷4ストローク直列4気筒 / DOHC4バルブ
- 総排気量:999cc
- 内径×行程:76.0×55.1mm
- 圧縮比:13.0
- 最高出力:141kW[192PS]/13,000rpm
- 最大トルク:114Nm[11.6kgf・m] / 11,000rpm