ホンダモーターヨーロッパは、現地時間2015年10月16日(金)午前10時に「CRF1000L アフリカツイン」を発表した。
今回発表となった新型「CRF1000L アフリカツイン」は、新開発の水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒998ccエンジンを搭載している。
90年代に人気を博したアドベンチャーモデルが再び!
CRF1000L アフリカツインは、90年代に人気を博した「XRV750 Africa Twin」同様、オンロード、オフロードを問わず、世界中のさまざまな道に対応できるアドベンチャーモデルとして開発された。「どこへでも行ける」をコンセプトに、市街地走行から大陸横断ツーリングまで、幅広いシチュエーションで扱いやすく快適な走行を楽しむことができる。
エンジン型式:水冷 4ストローク OHC(ユニカム) 4バルブ 直列2気筒
排気量:998cc
最高出力:70kW / 7,500rpm
最大トルク:98N・m /6,000rpm
軸距:1,575mm
最低地上高:250mm
シート高:スタンダード870mm、ローポジション850mm
変速機形式:マニュアルミッションタイプは常時噛合式6段リターン、DCTタイプは電子式6段変速
車両重量:マニュアルミッション スタンダードタイプは228kg、マニュアルミッションABSタイプは232kg、DCT-ABSタイプは242kg
全長×全幅×全高 (mm) :マニュアルミッション スタンダードタイプは2,335×875×1,475、マニュアルミッションABSとDCT-ABSタイプは2,335×930×1,475
最高出力70kWを誇る軽量・コンパクトな998ccエンジンと進化したDCT
※最高出力は 欧州仕様の数値
新開発の水冷・4ストロークOHC 4バルブ直列2気筒エンジンは、オフロード走行から長距離ツーリングまで幅広い用途での扱いやすさと、リアタイヤのトラクションが感じとれる出力特性、そして心地よいパルス感をテーマに開発された。モトクロスマシン「CRF450R」「CRF250R」など、レーシングマシンの開発で培ったノウハウを活用し、軽量化、マス集中化、低重心化を徹底的に追求。これらのモデル同様の4バルブユニカムなどの採用で、コンパクトなパッケージを実現。潤滑方式にセミドライサンプを採用することなどで、250mmの最低地上高を確保している。
出力特性にもこだわり、270度位相クランクシャフトによって、どの回転域においてもレスポンスがよく、回転数が上がるにつれて、ライダーに深みのあるエンジン音を響かせながらしっかりとトラクションを感じさせるほか、2軸プライマリーバランスシャフトが振動を軽減する。
また、ホンダの独自技術である二輪車用DCT搭載車をタイプ設定している。今回のDCTには、マニュアルモードのほか、良好な燃費性能と快適なクルージングを最適なバランスで発揮できるように設定された「Dモード」、スポーティーな走りをさらに追求した変速パターンを採用した「Sモード」という、2つのオートマチックモードを備えている。Sモードでは、3つの変速パターンから選択することが可能となっている。さらに、このDCTは、アドベンチャーの環境においても本来の性能を最大限に発揮する。インストゥルメントパネルの右側に装備したGスイッチを押すと、クラッチ制御がレスポンス重視の特性に切り替わる。また、登降坂角を推定する制御も採用し、坂道でも適切なギアを選択する新たな機能も搭載している。
安定した走行と機敏性を両立した車体と足回り
車体の開発では、オフロードでの扱いやすさ、長距離ツーリング時の快適性、積載走行時の安定性の3点に重点をおき開発された。
新開発のスチール製セミダブルクレードルフレームや、高性能なサスペンションの採用により、さまざまな環境で”楽しく走れる”性能を確保している。また、タフなアドベンチャー走行や、タンデム、積載走行時にも余裕のある耐久性を確保している。フロントブレーキには4ポットラジアルキャリパー、ならびに310mmのウェーブ形状のフローティングディスクを装備。サスペンションには、230mmのロングストロークを確保した倒立フロントフォークを採用し、フルアジャスター機能も装備。リアクッションは、ダイヤル式油圧プリロードアジャスターを装備している。
タイヤは、ラリー専用車である「CRF450 RALLY」同様に、フロントとリアにはそれぞれ21/18インチのスポークホイールを採用。それぞれ90/90-21、150/70R18サイズのチューブタイヤを装備している。
デザインテーマ「UNLIMITED ADVENTURE」
「UNLIMITED ADVENTURE(無限の冒険)」をテーマにデザインされたスタイリングは、最低限のボディーワークによる軽量のデザイン形状とし、スリムで軽快な印象を実現している。
2灯ヘッドライトは、初代アフリカツインの風貌を踏襲している。シート高は20mmの幅で調整が可能。18.8リットルの大容量燃料タンクは、良好な燃費性能とあいまって、ワンチャージでの航続距離を400kmまで可能にしている。なおカラーリングは、合計4種類が用意された。
・デジタルシルバーメタリック
・マットバリスティックブラックメタリック
・CRF RALLY カラー(ダカールラリー参戦マシンCRF450 RALLYカラー)
・トリコロール(初代アフリカツインのイメージを継承)
コントロール性を重視した制御系
ホンダ セレクタブル トルク コントロールは、4つのモード(レベル1、2、3、OFF)が路面状態や走行シーンに合わせてライダーが任意に選べるようになっている。ABSは、ライダーの任意の操作により、リア側のABSをOFFに設定することが可能だ。
新開発の998ccエンジン、軽量なセミダブルクレードルフレーム、コントロール性能を向上させるDCTなど、強烈な進化を遂げた新型アフリカツイン。
この待ちに待った新モデルは、欧州にて12月中旬から順次発売を開始し、今後、北米や日本などでの販売も計画している。
なお、欧州でのメーカー希望小売価格(税込)は、スタンダードモデルで12,100ユーロ(約164万円)を予定している。
参考 – HONDA
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