ホンダが今年のCES(国際家電ショー)で発表した「ホンダライディングアシスト」ですが、かなり衝撃的な内容だったにもかかわらず、当サイトでは触れていませんでしたので、今一度ご紹介いたします。
“立ちごけ”なんてもう知らない!
人が乗っていなくても自立する二輪車、そんなSF映画やアニメに出てきそうなバイクが、こちらの「ホンダライディングアシスト」を搭載したコンセプトバイク。
ホンダと言えば、二足歩行の人型ロボット「ASIMO」で階段を上り下りさせたりダンスさせたりと、二足歩行ヒューマノイドロボットの研究が有名ですが、そんな研究で培ったバランス制御技術を応用して作られています。ライダーの搭乗時・降車時にかかわらず倒れることなく自立します。バランスを崩しても、バイク本体がバランスを保ってくれるため、低速走行時や停止時のふらつきはもちろん、取り回しの際の転倒リスクも軽減してくれるのです。
ホンダ公式動画
動画はサイバー的な球状のオブジェクトに「RIDING ASSIST(直訳すると”走りを支援する”)」というタイトルからスタート。
手放しで人が跨り、バランスをバイクがとってくれているのが見てわかります。続いて女性がフロントライト下に手をかざすと、無人でありながら自走で追い続ける機能もあるようです。
自動運転技術が向上し、出先から家に到着して、駐車場などに勝手に停車してエンジンを切ってくれる、なんてこともできそうです(クルマの技術で言うところの自動パーキング機能)。
こちらの機能をオンにするとフロントフォークの角度が広くなり、ハンドル操作でバランスを取りやすい状態になります。さらに左右重心移動に反応して(ハンドル位置は固定のまま)自動的にフロントタイヤを左右に振り、姿勢を垂直に保ってくれます。ASIMOは過去に自転車走行を成功させているので、跨って8の字走行をする日も近いのではないでしょうか。
転倒事故防止の半面、操る楽しさはどこへ向かう?
※上記画像のCB650Fは参考イメージです。ホンダライディングアシストとは関係ありません。
誰も地面へ向かって倒れていくバイクを見るのは嫌でしょう。しかし自分で動かしてこそのバイク、クルマと違って倒れるモノを倒さずに走らせるからこそ面白い、それがバイクの醍醐味だと筆者は考えています。低速走行時に機能する事を強調するような動画ですから心配はないでしょうが。
電子技術の進歩がもたらした恩恵は偉大です。操ることを1~10まで人間がやらなくてもよくなりましたし。最悪の場合、ドライバーは加減速と両足をつくだけで旋回や急制動もバイクが判断してくれるレベルにまで進歩しています。上記画像のようにワインディングに集中して、長距離を走るのがより楽しくなるでしょう。
サッとサービスエリアに入り、バイクを追従させて自販機前で直立させてコーヒーを飲むなんてライダーが増えることでしょう。想像しただけでワクワクしますね。
ホンダライディングアシスト機能搭載のバイクはいつごろ市場化されるのか?
発表時点では、ホンダは具体的な実用化の時期を示していません。Honda公式ページなど諸々を調べるも、それらしいトピックスは発見できませんでした。ただ、動画などを見る限りではすでに市販化可能なレベルにあるようにも感じられます。
筆者個人的にはオフロードやネイキッド、大型クルーザーモデルなどにも搭載されれば、バイクのあるライフスタイルを個々が見出し、新規やリターンのバイクユーザーが、今よりも格段に増えるのではないでしょうか。未来の二輪業界は、今よりももっと活気のある楽しい業界になって欲しい、そう願わずにはいられません。ホンダのライディングアシスト機能から、今後も目が離せませんね!