世に言う”スポーツツアラー”にはいろいろあるが、ツーリングなどの長距離走行だけでなく、コーナーリングも楽しいマシンがけっこうある。例えば、筆者の愛車であるスズキ「隼」。さすがにタイトコーナーではややバイクが重たいが、道幅が広めのワインディングなどでは、ニュートラルなハンドリングでよく曲がる。筑波サーキット2000や富士スピードウェイといったサーキットでも、ライダーの腕はさておき、意外に軽快に走ってくれるのだ。
そんな”スポーツツアラー”のニューカマーが、KTMから登場。
ジャパンプレミアとして披露された「1290スーパーデュークGT」
3月25日〜3月27日に東京ビッグサイトで開催されていた「東京モーターサイクルショー2016」で、ジャパンプレミアとして披露された「1290スーパーデュークGT(1290SUPER SUKE GT)」がそれだ。
ロングラン向け装備を投入
実際に現車を目の当たりにすると、その迫力のフォルムに圧倒される。ベース車輛となるのは、ビーストの異名を持つ「1290スーパーデュークR」。排気量1,301ccの水冷V型2気筒を搭載したストリートファイター・モデルだ。
「GT」と「R」で、外観上の大きな違いは、フロントフェイス
「GT」と「R」で、外観上の大きな違いは、フロントフェイス。小型カウルの「R」に対し、「GT」にはウインドプロテクション効果が高いスクリーンを装備したフロントカウルを採用。フューエルタンクも、容量を「R」の18Lから「GT」では23Lの大型タイプに変更。フロントウインカー内蔵型の大型サイドカウルなども装備している。
ショーモデルにはオプションのラゲッジケースが装着
また、「GT」のシートカウルは、「R」より後端に伸びた形状。荷物の積載性なども良好で、写真のショーモデルには、オプションのラゲッジケースが装着されている。
最新テクノロジーも投入
ツーリングでの快適装備だけが、このバイクの魅力ではない。走りのための最新テクノロジーも満載だ。例えば、
- オートシフター
- モーターサイクル・スタビリティ・コントロール(MSC)
1は、レーシングマシンなどにも使われている機構で、シフトアップをクラッチ操作なしで素早くできる。
2は、トラクション・コントロールとコンバインドABSを組み合わせたもの。ブレーキング時や加速時、コーナーや直線など様々な状況に応じて、最適なパワー特性を出してくれたり、ホイールのロックなどを防ぐなどで、ライダーの走りをサポートしてくれるシステムだ。
また、足周りには、セミ・アクティブ・サスペンションも装備。路面状況に応じ、ショックを適度な硬さに自動的に変更してくれる便利な機能だ。
「スーパースポーツにも引けを取らないパフォーマンス」
KTMは、このバイクの走りを「スーパースポーツにも引けを取らないパフォーマンス」と豪語する。軽快に曲がり、ビースト(野獣)のようなパワーを持つビッグツアラー…隼とどちらが上か、一度乗ってみたいものだ。
参考 – KTM JAPAN