キムコ(KYMCO)から発表された電動バイク「スーパーNEX」が次世代の電動スーパースポーツバイクであると注目を集めています。電動バイクなのに官能的なモーターサウンドや現行SSバイク(スーパースポーツバイク)に匹敵する加速感!スーパーNEXの魅力に迫ってみました。
電動バイク最速!EICMA2018にてキムコ・スーパーNEX発表
キムコが発表したスーパーNEXの市販化を望む声がSNS上で多数投稿されています。
スーパーNEXが初公開されたEICMA2018から既に1年以上経ちますが、市販されるとキムコ初のSSバイクかつ電動バイクのクラスでは最高峰の速さを発揮するため、市販化に期待する声が多数聞かれます。
それほど注目されるスーパーNEXはどのようなバイクかご紹介しましょう。
キムコ・スーパーNEXとは
スーパーNEX(ネックス)は、2018年11月6日から11日までイタリア・ミラノで開催されたEICMA2018(ミラノショー)でキムコが発表したプロトタイプ・電動スーパースポーツバイクです。
モーターとバッテリーのみを駆動源とし、従来のEVではほとんど採用されないマニュアルトランスミッションを搭載し、バイクを操る楽しさと追求しています。
キムコは台湾のスクーター専門メーカーであり、現状のラインナップ上ではスクーター以外に販売していないため、スーパーNEX発表時はキムコがSSバイク、しかもEVであることで大きな反響を呼んでいます。
また、現在の会長アレン・コウ氏が就任後、キムコは革新的な技術と企画により電動化を推し進めており、アレン・コウ氏は二輪車業界の現テスラCEOイーロン・マスクとも呼ばれています。
モーターサウンドが走るヤル気のサウンド!
まず、スーパーNEXで注目してほしいのは、官能的なモーターサウンドです。上のYouTube動画を見ていただいたらわかりますが、「ヒュィィィーーーン」というモーター回転時の音は意図的に奏でさせているサウンドチューニング。
従来、EVというのは静かに走るものというのが通説ですが、操作時の刺激的なサウンドや楽しさを演出させるために、あえてモーターという原動機を音で強調させています。6速ミッションを搭載しているので、シフト操作時にモーター音が段階的に変化するところは、エンジン音からモーター音に代わっても、ライダーからアドレナリンが湧き出そうです。
0-100km/hが2.9秒の異次元加速
モーターの特性は、ゼロからの低回転時からフルトルクを発揮し、異次元的な加速をすること。
スーパーNEXは大パワーのモーターを搭載し、0-100km/hを2.9秒、0-200km/hを7.5秒と驚異的な加速力を発揮し、最高速度の250km/hには僅か10.9秒で到達します。最大出力や最大トルクは明かされていませんが、EVならではの常時最大トルクが発揮できる超パワフルスペックなのは間違いないでしょう。
大パワーを制御するデバイスや操作マネージメントにぬかりなし
ただ単にハイパワーにしたのではなく、現行のSSバイク同様、電子制御も抜かりありません。
搭載されるKYMCO FEP(フルエンゲージメントパフォーマンス)は、加速時のウィリーやブレーキング時のリアホイールリフティング、滑りやすい路面でも駆動力をしっかり路面に伝えるトラクションコントロールといった制御を行い、出力制御は4種類のパワーモードから選択可能。
官能的なモーターサウンドにチューニングされていても、市街地では迷惑にならないようにモーター音を抑えて静かに走行できる設定にもできるため、ガソリンエンジンでは難しい制御もEV化することで可能にしています。
市販化はありえる!?2020年もスーパーNEに目が離せない
スーパーNEXの市販化については明らかにされていませんが、アレン・コウ氏は発表の場で「スーパーNEXをライダーに感銘を与えるバイクとして、レーシングバイクとする考えをもっている」とコメントし、公道モデルではなくサーキット専用モデルでは市販化を考えているとしています。
これがスーパーNEX市販への確定的な言及とはいえませんが、これだけ反響が大きいバイクだけに、今後の市販、さらにはレーシングバイクならスーパーNEXワンメイク選手権の開催などもありえます。
キムコは昨年のEICMA2019にてEVのネイキッドスポーツバイクモデル「RevoNEX」を公開しているので、キムコが電動スポーツバイクに並々ならぬ力を注いでいるのは明らか。そのため、スーパーNEXの市販化、さらにはコンセプトモデルから更にハイパフォーマンスなモデルを発表する可能性もあるため、2020年も目が離せません。