Smart Device Link(以下SDL)アプリコンテストの開催が決定しました!
2016年に交通違反で検挙された件数の3位となっているのは、携帯電話使用違反……いわゆる「ながらスマホ」です。営業や配送など運転が必要な仕事をしている方は、いったん停車して電話をかけるなど何らかの対策をしているのではないでしょうか。でも残念ながら、交通事故や死亡事故が後をたちません。
今回は平成28年度における警視庁からの情報と、アプリ情報についてお知らせしたいと思います!
平成28年度の事故件数と2秒間の真実はいかに
運転中にスマホを注視していたことによる交通事故は、年々増加傾向にあり大きな社会問題となっています。運転しながらの通話や画面の操作をすることで周囲の安全が守られず、歩行者や他のクルマやバイクとの接触や衝突で重大な事故につながります。
警察庁における平成28年度の携帯電話使用などによる交通事故は、1,999件。この発生件数は、5年前の平成23年度と比較すると約1.6倍にもおよびます……そしてスマートフォンなどの画面を見ていた場合や操作によって起きた事故は、約2.3倍なのです。
平成28年度の死亡事故は、27件。このうちスマートフォンの画面操作による死亡事故は、約63.0%。このデータによって、いかに「ながらスマホ」による重大な事故が多く、何らかの対策をしていく必要なことがわかります。
クルマやバイクが2秒間に進む距離を改めて考えてみると、時速60キロで走行した場合に2秒間で約33.3メートル。日常生活での2秒はたったわずかの時間ですが、クルマまたはバイクを運転しているときのスピードを考えると、まさに凶器にもなります。
ここで法律とその罰則についても、ご紹介したいと思います。
道路交通法の第71条において、運転者の遵守事項として定められています。
罰則等
- 携帯電話使用等(交通の危険)
罰則として、3月以下の懲役または5万円以下の罰金、反則金(大型12,000円、普通9,000円、二輪7,000円、原付6,000円)、基礎点数2点。
- 携帯電話使用等(保持)
罰則として、5万円以下の罰金、反則金(大型7,000円、普通6,000円、二輪6,000円、原付5,000円)、基礎点数1点。
近い未来に自動運転のクルマが走り、あらゆるモノがつながる時代になるまで、ながら運転の問題は解決できないのでしょうか。
良きパートナーとしてクルマやバイクを安全に、楽しく、快適に!これからも乗り続けていきたいものですね。
警視庁
自動車メーカー10社が勢ぞろいの企画
SDLとは、クルマやバイクとスマホをつなぎ安全に操作ができる国際標準規格。
アプリがSDLに対応していれば、スマートフォン側のデータなど位置情報や音楽データ、SNSへのアクセスなどを、SDLに対応したカーナビなどの車載機を経由し操作することが可能。クルマやバイクを運転していても、安全にアプリを使用することができるのです。
さらに、エンジンの回転数や速度、ドアの状態などの情報もスマートフォンのアプリ側から取得することも可能。(クルマ側のデータ使用については、自動車メーカーからの許諾が必要。)SDLコンソーシアム日本分科会の協力により実施されるコンテストで、SDLの普及を目指すという企画。
参加するのは、トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、SUBARU、ダイハツ工業、三菱自動車工業、スズキ、ヤマハ発動機、川崎重工業、いすゞ自動車などです。
今回募集が開始されたのは、四輪や二輪、個人向け、業務向けなど実際のクルマやバイクを利用し、スマートフォンの操作による課題を解決できるアプリ。アプリを開発しグランプリを獲得すると賞金50万円の他、副賞が贈呈されます。さらに特別賞などを含めると賞金総額は100万円。AndroidまたはiOSでの対応アプリによる新規開発、すでに提供中の自社アプリからSDLのAPIを呼び出す事例など、個人やグループ、企業から学校までの応募が可能です。
このコンテストに応募を考えている大学や高専などの学校関係の方は、学部や学科を問わず事務局に連絡してみましょう。簡単な開発プランなどの確認によって、SDL開発キット(車載機)を無償で配布するプログラムが用意されています。(開発の内容によって対応できないことがあります。)実際にテストをしながら開発する場合には、10月に発売されたキットが利用でき約4万円となっています。
なおコンテストの応募に必ず必要なキットではなく、無償のエミュレーター上で動作を撮影した動画や説明の資料が応募が可能となり審査に影響することもありません。
クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト 詳細
応募期間:2018年10月3日(水)〜2019年1月31日(水)
応募方法:コンテスト専用サイト
- 応募作品の動きがわかる動画および画像
- 作品内容の説明資料(PDF)
事前審査を通過した場合に、最終審査会でプレゼンテーションがあります。
主催:SDLアプリコンテスト実行委員会(事務局:角川アスキー総合研究所)
協力:SDLコンソーシアム日本分科会
募集内容:SDLを利用したAndroid、またはiOSアプリ
事務局による事前審査の結果発表は、2019年3月上旬頃とのこと。また、最終審査会を兼ねた受賞発表・表彰式が2019年2月末に行われる予定です。
アイデアでアプリを開発し、安全なクルマやバイク社会をつくることに貢献できるチャンス。どんなアプリが受賞するのでしょうか、いまから楽しみです。