日本の春と言えば東京モーターサイクルショー。今年も張り切って行って来ましたので、遅ればせながらポツポツとレポートしまっす。即時性では劣りますけど、独自視点でガンガン攻めて行きますので、ご期待くださいね。
最初にご紹介するのは、日本が世界に誇る二輪メーカー、ホンダでございます。
CBシリーズのアニバーサリーイヤーらしい展示!
コチラのプレビュー記事でもお伝えしておきましたが、2019年はCBシリーズのアニバーサリーイヤーです。1959年発売の「ベンリィ CB92 スーパースポーツ」から60周年、1969年発売の「ドリーム CB750 FOUR」から50周年、1979年発売の「CB750F」から40周年を迎えているのです。
そんな大切な年に開催される東京モーターサイクルショーですから、ここはサプライズで「CB-R」シリーズで何かやってくれる……という期待で胸を膨らませて、いの一番にホンダブースに駆け付けてみました。すると……
「ドリーム CB750 FOUR」がお出迎えしてくれました。本車両は、どんな想いで開発されたのでしょうか? 当時のプレスリリースがそれを雄弁に物語っていますので、引用しておきます。
「ドリーム CB750 FOUR」は、オートバイメーカーのリーダーの立場にある ホンダの技術の結晶として誕生した車で、長距離ツーリング時代の要求に完全に応えた世界最高級オートバイです。しかも、高性能車でありながら、扱い易く操縦安定性がすぐれており、巾広い需要の喚起を意図いたしております。
どうですか? 当時のホンダはオートバイメーカーのリーダーを自認しており、世界最高級モデルとして自信を持って「ドリーム CB750 Four」を投入していたのであります。
今では当たり前となった大排気量モデルが搭載する4気筒エンジンと、そこから伸びる4本のエグゾーストは、当時は羨望の眼差しを集めたものでした。
いや~素晴らしいバイクに出会えて幸せであります!
「CB」シリーズのアニバーサリーイヤーですから、こうして「CB1000 Super Four」=”BIG 1″なども並べられていました。
そしていよいよプレスカンファレンス。ホンダモーターサイクルジャパン社長・加藤さんの長~いお話が始まりました。要点としては……日本市場が、いかにシュリンクしているのか、その中でもホンダはシェアを伸ばしている、今は原付二種の時代だ、みたいな感じでした。
そう話す加藤さんの横に布を被った1台の車両が鎮座していました。「早くアンヴェールしてくれや!」という言葉をグッと飲み込んだ筆者でしたが、遂にその時が来ました!
加藤社長の手で世界初公開されたのは……
そしてアンヴェール!えっ、アレ……世界初公開されたのは……「BENLY ELECTRIC」でした……
確かに、ビジネスモデルの電化は大切です。新聞配達や郵便配達に使われる車両は街中を走りますからゴー・ストップが多く、長い航続距離は求められない。電動モデルに適しています。
が、しかしですよ……二輪業界のリーダーであるホンダが、「CB」シリーズのアニバーサリーイヤーに開催された東京モーターサイクルショーの中心に本モデルを置いたことに、正直に申しますと落胆してしまいました。
電動モトクロッサー「CR ELECTRIC」プロトタイプも世界初公開!
勝手に期待していた筆者が悪いのではありますが……ガッカリしたアンヴェール。今回の東京モーターサイクルショー最大のサプライズでした……しかし……よく見ると、もう1台。
おぉ!「CR ELECTRIC PROTO」と名付けられた電動モトクロッサーも世界初公開されました!
過酷なエンデューロ・モトクロスを想定して、鋭意開発中だそうでして……
ギヤボックスカバーには”無限”ロゴが一緒にレーザー加工されております。
電動バイクなのにギヤボックス?と考える方も少なくないかも知れませんが、モーターは高回転になると効率が下がります。なのでモーターを好適な条件で回すには、ギヤボックスを介して動力を伝えるのが正しいのです。
ご存知の通りマン島TTに参戦する”SHINDEN”プロジェクトの開発担当は無限ですから、本車両の開発にも、そのノウハウが生かされているものと思われます。
色とりどりの原付も展示され賑わった!
“くまモン”バージョンや「モンキー125」の新色を中心に、今春発売予定の原付も漏れなく展示されていました。
ホンダはバイクの電化に意欲を示した!
ということで、第46回東京モーターサイクルショーにおけるホンダは、電化への意欲を示していました。が……残念ながらホンダがプロモートしている「バイクが、好きだ。」は感じることが出来ませんでした。
まぁ縮む一方の日本市場で何かを期待する方が間違っているのでしょうが……それにしても淋しさを感じた次第です。