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forRideでは、海外ビルダーが製作したユニークなカスタムマシンをたびたび皆様にご紹介していますが、フランスのカスタムショップ「Taverne Motorcycle」が、カワサキの人気モデル「Zephyr(ゼファー)750」をマッドマックス仕様にカスタムしたということなので、早速ご紹介いたします!
ベースはカワサキ「Zephyr(ゼファー)750」
当時発売予定ではなかったゼファー750は、国民の熱い要望のもと、1990年に誕生しました。エンジンは「GPz 750F」のものをベースとした空冷4気筒モデルで、ゼファー3兄弟(400・750・1100)の中でも爆発的人気を誇る「Z2」に(形状も排気量も)似ていることから「Zの血を引く空冷4発モデル」として、中古車市場でどんどん値上がりしている超人気モデルになります。
レーサーレプリカ全盛期に誕生し、ネイキッドブームの火付け役として成功を収めた一台です。今となっては希少な銘車だけあって、少しもったいない気もしますが……。ちなみに、年式や状態にもよりますが、中古相場は80~300万円と、バラつきがあるようです。平均して200万円前後と言ったところでしょうか。
エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ
排気量:738cc
全長x全幅x全高:2,105x770x1,095(mm)
車両重量︰200kg
燃料タンク容量︰17L
価格:65万9,000円(当時価格)
ゼファー750カスタム、その名も「MAD MAX」
早速ですが、Taverne Motorcycleによってカスタムされたマシンがこちらになります。
マシンネームを”マッドマックス”と名付けられたこのマシンは、映画『MAD MAX』の世界観をインスパイアしたものです。確かに、映画『マッドマックス2』に登場するウェズバイクのカウルデザインと雰囲気が似ています。もしくは、ウォーキングデッドでダリルが乗っていたバイクにも似ている気がします。つまり、ジャンルとしては”サバイバルバイク”スタイルですね。
エンジンを残して、他はほとんどに手が入っているため、一見してベースマシンがゼファー750だと気付く人は少ないのではないでしょうか。分かる人はかなりのマニアでしょう。
ご覧の通り、ガソリンタンクのベースやサブフレームなど、一からワンオフで製作してしまう技術力は見事です!
それにしてもかなりのタンク容量が見込める形状ですね。満タンまで入れられるガソリンが手に入れば…の話ですが。
テールランプ&ウインカーは加工されたフレームエンドに収納されています。また、サスペンションはカワサキ「ZRX」の純正サスペンションを流用しています。そして、ナンバープレートはサイドマウントとすることでリア周りをスッキリとさせており、リアフェンダーを装着せずピレリのMT60タイヤをむき出しにすることで、より一層の無骨さが演出されています。
純正の大きなメーター類を取り払い、インジケーター付きの極小スピードメーターに交換されています。
ハンドルポストはゼファー750の純正をあえてそのまま使用していますが、中央部分がくり抜かれており、車両の雰囲気とマッチしていますね。
フレームのエンド部分は、日本でも大流行りしたSRチョッパーカスタムよろしく大胆にカットされ、サイドカバーには無機質なパンチングメタルのプレートがセットされています。
純正のステッププレートはタンデム側のステーを切断し、さらにドリルド加工が施されています。一手間加えるだけで、こうも雰囲気が変わるとは、随所にTaverne Motorcycleのテクニックとセンスが感じられます。
ラットな雰囲気の中に技術力の高さがうかがえる
マッドマックスにインスパイアされたカスタムバイクは世界中に五万とありますが、”〇〇レプリカ”のようなカスタムではなく、Taverne Motorcycleによる独自解釈によって、見事にまとめ上げられた唯一無二のスタイルと言えます。
ラットな雰囲気もあり切った貼ったの様に見えますが、実はかなりバランスの取れたスタイリングであり、バランス感覚の優れたビルダーによる技術力の高さが伺えます。
今回はゼファー750のマッドマックス風カスタムをご紹介しましたが、Taverne Motorcycleでは他にもBMWやハーレー、KTMなどのバイクもカスタムしています。その他のカスタムマシンについても引き続きご紹介していきたいと思います。