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バイクのロードレース世界選手権の最高峰「MotoGP」で2013年、2014年と2連覇を達成した車両を公道で走れる仕様にした「RC213V-S」については以前も紹介させていただいた。その性能もさることながら、2,190万円という価格まで、ダントツでぶっちぎりのフラッグシップモデルである。
今回はそんな高級バイク「RC213V-S」がどのように作られているのかについて触れてみようと思う。
公道を走れるMotoGPレーサー
最高出力はレース仕様から3割程下げられているとはいえ、仕様変更は必要最低限にとどめているという「RC213V-S」。ホンダは「世界一操りやすいマシン」という本物の乗り味を再現することにこだわり、”思い通りに全てが動く”というエッセンスを取り入れていくという。モトGPレーサーに保安部品を取り付けただけのモンスターマシンが「RC213V-S」なのである。
生産を担うのはバイク製作歴が20年以上の熟練技術者25人
「RC213V-S」はエンジンの製作から、フレームの溶接、塗装、部品加工、車両組み立てに至るまで、全ての工程が手作業で行なわれている。その作業を担うのはバイク製作歴が20年以上の熟練技術者を中心とした25人だ。社員の中から特別に選抜され、なおかつ、半年以上の訓練を受けた上で生産に臨むという。そのため、生産可能な台数は1日1台だとか。
生産台数は1日1台
品質のバラつきが出るのを防ぐため電動工具は使わず、締め付けの強さが数値で分かるレンチでナットを締め付け、その数値を毎回記録。歯車同士の隙間で許容されるのは20ミクロンまでという厳しい基準が設けられている。製造できるエンジンは1日1基。すなわち生産できる台数も1日1台となるのだ。
2016年末までに約250台を生産
このようにして、厳しい過程を経て作られている「RC213V-S」。250台の限定モデルながら、すでに300件を超える購入希望が寄せられているとか。
ホンダブランド戦略上の最重要モデルとなるフラッグシップモデルにして、ワークスマシンを、そのまま体現した「RC213V-S」。そんなモンスターマシンを思うがままに操ってみたいというライダーの声は多かったようだ。