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フォーライドで何度かご紹介している、ロサンゼルスのカスタムショップ「Hazan Motorworks」が、日本では珍しいKTM「520EXC」をベースにカスタムマシンを製作。世界最高峰のカスタムビルダーMaxwell Hazan氏が手がけた、芸術作品級の一台をご覧いただきましょう!
「SUPERCHARGED KTM」
ベース車は最高出力57psを誇る、510ccの水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載した、KTMのオフロードモデル「520EXC」です。
シート高は925mmと相当高めですが乾燥重量は112kgに抑えられており、取り扱いやすさから人気を博した海外モデルです。
それが、世界最高峰のカスタムビルダーMaxwell Hazan氏の手にかかると、全くもって別のバイクに生まれ変わってしまいました!
フレームは0.5mm厚のクロモリチューブを使用しているので非常に丈夫で、ボディワークはすべて剛性かつ軽量な「6161」アルミニウムで製作。塗装はせずにブラックニッケル仕上げでフィニッシュし、エンジン周辺も研磨やメッキ加工を施すことで統一感が図られています。
「SUPERCHARGED KTM」のディテール
受注によるオリジナルのフロントフォークには、軽量の700シリーズアルミ素材でできた10本スポークのホイールとクリンチャータイヤを組み合わせたもの。ハブはCNCが得意なショップに設計を依頼したこだわりの逸品です。
スイッチボックスやメーターなどは廃され、インナースロットル化をすることで簡素化されたハンドル周り。
また、フットクラッチ仕様のため、ガソリンタンクの左側からハンドシフトが顔を覗かせています。
520EXCの要素はエンジンのみになりますが、マフラーはエッジの効いたショートタイプのスラッシュカットを装着。キックアームは取り除き、カバーは鏡面仕上げが施されています。
エンジンとタイヤの間には、冷却効果を目的としたクーラントリザーバーが取り付けられています。
また、ユニークなことにミッションの真横にブレーキが移設され、2つのキャリパーでしっかりと停まるように設計されています。ビルダーのアイデアもさることながら、知識や技術が活かされていますね。
シート下にはスノーモービルで用いられる「AMR350スーパーチャージャー」を介して、ケーヒンのFCRキャブレター(41φ)を装着。吸気効率の見直しによりトルクアップをはじめとするパワーアップが図られています。
ドンと突き出たファンネルやベルトドライブによって、エンジン周辺がメカニカルな印象に仕上がっていますね!
リア周りは、ハードテールやサイクルフェンダーによってスタイリッシュにまとめ上げられています。それに合わせてシートもシンプルなものに換装。
また、フロントが10本に対してリアホイールのスポークは20本と、非対称のレーシングパターンが用いられています。
さすが世界最高峰のカスタムビルダーによる卓越した金属加工技術やデザインは、目を見張るものがありますね!
今回ご紹介したカスタムマシン以外にも、公式サイトで素敵なバイクを見ることができます。少しでもHazan Motorworksの車両に興味を持たれた方は、過去の作品も合わせてチェックしてみてください!
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