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戦闘車両やヘリコプター等のクルー(Combat Vehicle Crew)用防寒ジャケットと言えば、メジャーなのはやはり「MA-1」。フライトジャケットはバイク乗りの定番でもありますよね。でもそんなCVCジャケットやフライトジャケットといったカテゴリーにおいて、いわゆる「タンカースジャケット」は若干地味なせいもあってか、あまり注目されていない気がします。しかしとても高機能なので、バイク乗りにお勧めしたいのであります!
映画『タクシードライバー』でロバート・デ・ニーロも着用
ウインター・コンバット・ジャケットというより、通称のタンカースジャケットの方が通りが良いでしょうね。映画『タクシードライバー』でロバート・デ・ニーロが着ているのもタンカースジャケットなので、そっち方面に詳しい方にはお馴染みでしょう。
ファーストモデルのtype1は上から張り付けられているパッチポケットタイプですが、画像のスラッシュポケット付きのtype2が最も流通していると思います。開閉はベロクロ付きフラップで簡単でありながら、内容物を落としにくい構造になっていです。
袖口は贅沢なダブルニットになっているので、バイクに乗っている時にも風も通し難く非常に重宝します。ダブルニットは特殊なので、製造にもコスト掛かるのだそう。
襟はスタンドカラーにもなり、通常はサイドにベロクロで止めているフラップをフロントに回せば防風効果UPします。
素材は”ノーメックス”の名称で知られる難燃繊維を使用しており、ライニングは中綿入りのキルティング。この寒い季節でも防寒ジャケットとしてかなり効果があり、タンカースでバイクに乗っていると「さすがは機能性重視ジャケット」と、絶対に実感できますよ。
ところで背中のフラップにお気づきでしたか? 背中は両肩部に向かってベロクロで大きく開口する作りになっているのですが、エアダクトではありません。
実はこれ、負傷した兵隊を引っ張り上げる時に使うための機構なのです。たとえば戦車兵が負傷した時にはここを開口して、ジャケット内部に装着しているハーネスを掴めば救出しやすくなる。これで一命を取り留めた戦車乗りも多かったことでしょう。
ちなみに同タイプのツナギもあったりします。ツナギは「タンカースーツ」と呼ばれています。バイク乗りはタンカースジャケットでこの冬をパンツァー・フォー!
画像 – Flickr : Direz Zender