この記事の目次
2013年のミラノショーで発表されてから、日本のトップビルダー達ともカスタムプロジェクトで、大いに注目を集めたBMW「R NINE T(アールナインティー)」。BMW伝統のボクサー(水平対向)エンジンを搭載し、本来モーターサイクルが持つ”走ることの楽しさ”をとことん追求したヘリテイジモデルです。
ということで、R NINE Tの試乗体験を、初心者でもわかりやすいようにレポートします!
スリムでコンパクトなボクサー
まず特筆すべきは、そのコンパクトな車体。1,169ccボクサーツインエンジンを搭載しているにもかかわらず、極限まで無駄を削ぎ落としたミニマルなデザイン、どことなく漂うレトロなカフェレーサー感が非常に現代的です。
また、通常は左側に駆動、右側にサイレンサーが一般的ですが、R NINE Tはドライブシャフトが右側、サイレンサーが左側と、逆に配置されています。
身長180cmの筆者が跨ってみると、このような感じ。足つき性も良く、ハンドルが遠い印象もありません。小柄な女性でも安心して乗れそうな、かなり日本人向けのモデルといえます。
こちらがライダースビュー。中央に計器類がまとめられており、左が速度計、右が回転計です。中央の液晶パネルにはギアポジションや、外気温、走行距離、時計などが表示されます。
また、ハンドルの位置も広すぎないので、リラックスしたポジションです。
車高自体は決して低いわけではないのですが、とても足つき性が良いのは、このスリムなシート幅が貢献しているようです! 初心者でも安心して乗れるよう、設計に抜かりなし!ですね。
ボクサーエンジンは、昔からとても張り出しているのが特徴なのですが、初めて見る方からしたら、ちょっとびっくりするかもしれません。しかし、ハンドルよりも張り出してはいないため、慣れてしまえば全然気になりませんよ。
ぽっかりと口を開けたエアインテーク(空気を取り入れる入り口)。こちらに関しては、雨や虫、ほこりが入ってしまうので、検討の余地があるかもしれません。ちなみに、エアインテークメッシュなどのパーツが社外製で発売されています。
純正オプションとなる、アクラポビッチのスポーツマフラー。純正マフラーでは少々物足りない排気音が、歯切れの良いボクサーエンジン本来のサウンドを響かせてくれます。
絞りあげたコンパクトなボクサーでありながら、細部にまで作り込まれた、実に完成度の高い車両です。水冷ではなく、あえて空油冷をチョイスしているという点も頷けます。というわけで車体の小さいR NINE Tは、ロングツーリングに出かける車両というより、シティーユースとして街乗りに適しています。
価格は192万5,000円とやや高めですが、買う価値は大いにあります!
R NINE Tの評価
ツーリング度:★★★☆☆
街乗り度:★★★★★
初心者度:★★★★★
所有欲:★★★★☆
とても人懐っこい車両で、一度試乗したら虜になってしまう方も多いのではないでしょうか。BMWモトラッドといえば、1200GSなどのアドベンチャーモデルが注目されがちですが、ヘリテイジモデル「R NINE T」も全然負けてない! いや、むしろ筆者個人的には同社のライアンアップの中でナンバー1です!