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タイトル画像の車両、単なるカスタムバイクではありません。スイスのフレームビルダー「Egli」が製作した、オリジナルフレーム採用のコンプリート車両です。
では「Egli」をご存知でしょうか?ベテラン・ライダーさん感涙の名門フレームビルダーです。今回は復活した同社が製造を開始した記念すべき1台をご紹介しましょう。
「Egli」とは
そもそもEgliとはスイス人レーサーであった”Flitz Egli”氏が1965年に立ち上げたブランド。当初はエンジン・チューニングから開始しましたが、当時最強エンジンだった「ビンセント」のエンジンを搭載するオリジナルフレームを開発。
それが今でも伝説として知られる「エグリ・ビンセント」で、1968年には、この「エグリ・ビンセント」はスイス・チャンピオンになっています。
以後、洋の東西を問わず優れたエンジンをチューニングして、オリジナル・フレームに搭載する手法で特別なモーターサイクルを提供。1970年代はスイス国内レースで活動を続けて来ました。
エグリ・フレームの特徴は、上の写真にある太いメインパイプ。直径12cmという極太サイズで、しかも真直ぐ。これが曲げ・捻じれ剛性に強いと考えていました。
2015年にエグリは所有する株式を”Alexander Frei”氏に売却。そして今年から新生エグリとしてリスタートしました。
エグリ「フリッツ W.1300」
さて、コチラが現代に蘇ったエグリ。モデル名はエグリ「フリッツ W.1300」。冷却フィンの美しい空冷エンジンはヤマハ「XJR1300」用です。
そしてコチラが、そのフレーム。良かった……エグリ・フレームの特徴を確かに継承しています!
これまでのところ完成車として6台が生産され、既にユーザーの下に届けられたそうですが、現在はキットとしての販売を受け付けているようです。
そのキットには、ご自慢のフレームのほか、このハンドメイドの美しいガソリンタンクと……
シングルシートは当然。
アルミ製スイングアーム、オーリンズ製リアショック、バックステップ・キット、それにオイルタンクやハーネス類……
セパレートハンドルや”Moto Gadget”製スイッチ類などが付属するそうです。
フロントの足回りを忘れていました。
“Ohlins”製フォークと”Beringer”製ブレーキセット、それからガソリンタンクのカラーに合わせたフロントフェンダーも、もちろんキットに含まれます。
いかがでしたでしょうか?ちなみに、これらキットはユーザーの要望に応じて仕様変更が可能だそうで、お値段は40,000ユーロ。日本円にして500万円といったところでしょうか?
エグリのオリジナルフレームであり、極めて魅力的なキットですが、残念ながら、かなりお高いですね……
とは言え、新生エグリの復活ですから、コレは嬉しい話。お財布に余裕のある方、是非、注目してください!