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これを、バイクと呼んでいいのか?そもそもタイヤの概念ってなんだっけ?と思うようなバイクを見つけたので、ご紹介したいと思います!
製作者はどこの誰だ!?
このバイクの名前は、「TMC Dumont」。
元F1レーサーでブラジルのパラナ州クリチバ出身の、エンジニア兼デザイナーのタルソ・マルケス氏がカスタムしたバイク。
かなりインパクトのあるマシンは、300馬力もあり60年代のロール・スロイスが製造したとされる航空機用のV6エンジンを搭載。そしてデザインも特徴的な「TMC Dumont」。いちど見たらかなりの記憶に残るマシンのひとつではないでしょうか。
巨大なハブなしホイールは36インチで、このバイク専用につくられた高さ1.5メートルの最大のタイヤを装備。航空機用のエンジンが、かなりの存在感とサウンドを放っています。
作品を創り上げる楽しさを追及するには、チーム連携が大切なのだ
1999年に創設されたTMCは、バイクや自動車、ボート、航空機などのカスタマイズおよび自動車用のアクセサリーなど多彩なプロジェクトなどで注目を集めている会社。
ブラジルで開発され製造された、いまだかつて出会ったことのないバイクは、世界最大のバイクイベント「Daytona」でカスタマイズの世界チャンピオンを獲得。自分好みのバイクにカスタムする楽しさを、さらに追求した作品ともいえますね。
エンジン全体を解体し、燃料ポンプやケーブルの配線やスピードメーター、ライト、16Lの燃料タンク、8Lのオイルリザーバー、サスペンションなど何度も試行錯誤を繰り返し、やっと完成したマシン。トランスミッションのパーツは新たに設計し製造することが必要で、航空機用のV6エンジン全体をバイク用にカスタマイズするには構造が複雑なため、じつに15年以上の年月を費やしたそうです。
エンジンの加工や修復など、デザインしたものをマシンとして走行できる状態にするためには、TMCのチームがあったからこそ。完成するには、いろいろな試行錯誤があったと思われますが、趣味の世界を超越した夢のプロジェクトの達成として記憶に残りそうです。
母国で完成したマシンに乗りさっそうと走る姿が、じつに考え深くカッコいい!
奇抜なマシンとしてだけでなく、バイクを愛する作品づくりを追及するデザイナーとしての誇りを知ることができました。
ブラジルの街を走行する「TMC Dumont」を動画でお楽しみください。