最近は色んなスポーツチームに正式名称とは別に愛称がつけられることが多い。特に日本代表チームなどがそうで、女子サッカーチームは「なでしこジャパン」、男子サッカーチームは「SAMURAI BLUE」、バレーボールの女子は「火の鳥NIPPON」、男子は「龍神NIPPON」などなど。正式名より親しみやすく何よりかっこいい、と評判も高い。
ところで「白バイ」にたいして厳しい見方をするドライバーやモーターサイクル乗りの諸兄もいるだろうが、警視庁には女性白バイ隊に親近感のある名称がつけられているチームがあるのをご存じだろうか?それも愛称ではなく正式名称で。ちなみに全国の都道府県にある45個の女性白バイ隊のうち3県を除きすべてに愛称がついているほどニックネームは大事なもの。
「クイーンスターズ」は警視庁総務課に所属する12名の女性特別白バイ隊で、実務は一般交通取締りやパトロールではなく交通安全運動やイベントでの走行演技を披露するチームである。当然彼女たちの技術は高く、警視庁に所属する約60名の全女性白バイ隊員のなかでもエリートといえる警察官でもある。
もちろんいきなりこのチームに入れる訳ではなく、全員が各所轄や交通機動隊で実務経験を積んだ白バイ隊員でもある。
わずか5年任期のこのチーム、インタビューしたある隊員は「かっこよくて憧れでした」と正直にその志望動機を語っていたが、確かに制服も一般隊員とは全く違う赤色の上着に白のパンツ、真っ白なスカーフとやたら目立つ。
使用する白バイは一般隊員と同じCB1300Pで総重量約300kgもほぼ同じ。それを軽々と乗りこなす姿は観ている人から「ウワァ~」とか「かっこいい~」と歓声も多く聞かれる。航空自衛隊ブルーインパルスの女性白バイ版みたい。
ただ彼女たちにとっては「観てもらう」ことが仕事で、その内容はすべて高度な技術のいるスタントまがいの演技走行。失敗は許されないから大きな負担となっているだろう、と思いきや笑顔で演技していることが多い。さすがにプロフェッショナル。
個人的にちょっとうれしいのはしっかりメイクもしていて女性らしさが漂う。
このチームの目的はあくまで多くの人に観てもらい交通安全の大切さをわかってもらうことや白バイの地位向上だと思うが、いまだにあるはずの?女性白バイ隊員への蔑視軽減にもつながっているみたい。
「アイドルグループみたい」って声も聞かれるが、それでもいいんじゃないかと思う。だって子供たちや女性には大人気だし、しっかりと「おっかけ」までいるのは、認められている証なんじゃないかな。