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ハーレーのツインエンジンをラバーマウント、マス集中化の徹底、それに圧倒的なショーとホイールベースなどで一世を風靡…… しそうでしなかった、異色のアメリカン・モーターサイクルがビューエルであります。
ビューエルはカスタム素材としても生きる!
会社が生きていた当時から人気爆発とはいきませんでしたが、着実にコアなファンは捉えていました。当サイトでは……
https://forride.jp/motorcycle/buel-lxb12-xc1
そんなビューエルをベースにしたカスタムバイクを幾度か紹介してきました。カフェレーサー風からトラッカー風まで、多様なカスタムに対応するビューエルは、案外カスタム素材としても生きるように思われます。
なのですが…… 今回ご紹介するビューエルのカスタム車の完成度が、実に高いのであります。
CYCLONE M2がカフェレーサーに変身!
それがコチラ!今流行のクラシカルなカフェレーサーに変身した、ビューエル「CYCLONE M2」(2000年式)をベースにしたカフェレーサー「AVANZATA」。Advanced=上級版を意味するようです。
制作したのは、イタリア南部からイタリア南部からドイツに移住した父と祖父母をルーツに持つ、Raffaele氏が主宰する「OFFICE URAGANI」。大変失礼ながら、筆者はこのカスタムビルダーのことを知りませんでした…… 新進気鋭のカスタムビルダーということにしておきましょう(笑)。
イメージしたのはイギリスが元気だった時代……1960年代のカフェレーサーです。その雰囲気を醸し出すのは、現在のカスタムシーンで流行中のロケットカウル。ハンドメイドのアルミ製であり、オイルタンクもここに搭載しているそうです。かなり低くセットされています。
なのですが……実はフレームからガッツリ手を加えられているようで、ざっと80%は変更されている、ということです。何が80%なのかはよく分からないのですが、そもそものフレーム形状がオリジナルとは異なっています。シートレールの直線的なラインとか、補強も行われているようです。
このガソリンタンクもまた、カウルと同じくアルミ製の手作りです。”サイクロン”っぽいというか、仮面ライダー風味のエアフィルターは凄すぎて笑ってしまいました!
丸みを帯びたロケットカウルとは対照的に、ちょっぴりエッヂを利かせたデザインのシングルシート。カウルはアルミ製。
注目したいのはナンバープレートホルダー。そのブラケットはフレームのシートレールから一直線に切れ目なく繋がっています。ディテールへのコダワリが、こうした部分に現れています。
この丁寧なブラケット処理は、フロントのロケットカウルを支えるのにも活用されています。これによりロケットカウルを低くセットすることが可能になっているのでしょうね。
ボディワークの各部に配されたカーボンパネルは外観上のアクセントであります。
ドイツのカスタムコンテストで優勝!
ということで今回は、今となっては珍しいビューエル「CYCLONE M2」ベースのカフェレーサーをご紹介してみました。
マイナーなロードスポーツモデルをベースにフレームから大改造を施し、見事にクラシカルなカフェレーサーに変身させた手腕が高く評価され、Office Uraganiはドイツのカスタムコンテストで優勝したのだそうです。それも納得な、美しい1台だなと、そう感じた筆者でございます。