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タイヤは目立った劣化がないのでいつまでも使えそうなイメージですが、実は運転するごとにすり減り消耗しています。
しかし一日乗っただけで劇的に減るというわけではありませんが、100kmほど走るとどれぐらい減るのでしょうか?
今回の記事では意外と気づかないタイヤの磨り減り具合を解説するとともに、タイヤの交換時期について解説いたします。
100km走ったときのタイヤの減り具合
毎日自動車やバイクで長距離を運転する人はそういらっしゃらないのでしょうが、100kmほど走るとタイヤはどれぐらい減るでしょうか。
結論からお伝えすると、100km走行するとおよそ0.02mm(0.2マイクロメートル)減ります。
タイヤは一般的に5,000km走行するごとに1mmほど減り、単純な計算をすると100kmの走行で0.02mmの磨り減りを導き出すことができます。
したがって、1,000kmを走れば0.2mmの減り、2,000km走れば0.4mmといった具合になるのです。
なおこの計算は一般的な自動車のタイヤを想定しており、バイクのタイヤは細いのでまた違った計算となるため省略しますが、バイクの場合は10,000km走ると寿命が目安なため100km走れば自動車用と比べると減りは早い傾向にあります。
タイヤの交換時期
タイヤは側面に釘が刺さっているだとか穴が開いているだとか以外では、パッと見た程度では劣化しているかどうか判断しにくいものです。
そのためタイヤ交換の時期を見落としがちになるので普段から状態のチェックをするのがおすすめなのですが、そのほかにもタイヤが劣化しはじめる目安というものがあります。
劣化の目安やサインにしたがってタイヤを交換するとスリップなどの事故を未然に防げられるようになるでしょう。
走行距離
タイヤの減りや劣化を確認しやすいオーソドックスな方法として、今まで走った距離(走行距離)で確認する方法があげられます。
一般的な自動車用タイヤでは100km走ると0.02mm、1,000kmで0.2mm減りますが、新品タイヤの溝は8mmの深さがあるのが基本で溝が1.6mmしかなくなるとスリップしやすくなります。
タイヤの溝は雨天時の雨水が溝に入ることで車両をコントロールしやすくなりますが、溝のないタイヤでは雨水の上をそのまま走ることになるのでタイヤが地面に接することができずスピンしてしまうのです。
つまり、32,000km走るとタイヤは6.4mm減りますので、新品時の溝8mmから6.4mmを引くと1.6mmが算出され交換時期がわかるというわけです。
タイヤの使用年数
タイヤは走ってなんぼのパーツですから、走らなければいつまでも使えると思われがちです。
しかしタイヤは使わなくても温度や湿度などさまざまな環境的な影響によって劣化をするゴムでできているため、使いはじめた年数によっては交換をしなければいけません。
わかりやすい劣化原因のイメージとしては熱があげられます。
ゴムでできているタイヤは60度以下の熱であれば安全とされており、120度までは耐熱性能があります(天然ゴムの場合)。
しかし近年の温暖化によって日本の夏は気温だけでも40度あり、さらに夏のアスファルトの温度はNHKの番組によると63度もあり、夏場は走行しなくても劣化しやすいのです。
使用年数だけでタイヤの交換時期を見るのであれば、およそ4年ほど使い続けていれば交換を視野に検討しはじめるとよいでしょう。
普段からできるタイヤのセルフチェック
タイヤは走行距離や使用年数で交換時期を確認できるとお伝えしましたが、いずれもある程度の時間が経たないとわからない基準です。
あくまで基準ですので場合によっては基準値がくる前にタイヤが摩耗している状態であることも少なくありません。
そのためタイヤに異変がないかを1週間や1ヶ月ごとに以下の項目をチェックするようにすると、タイヤの異変を早く把握できてスリップなどの事故を防ぐことができます。
溝に深さがあるか
タイヤの摩耗や劣化状況はやはり溝の深さを見ることが一番です。
タイヤは磨り減ってくると溝の中から別の突起が出てくるのですが、この突起がいわゆるスリップサインと呼ばれるもので、スリップサインが出ていると溝の深さが1.6mmに近づいてきていることを示します。
なお、タイヤの溝は車検の項目にもあげられており、溝が1.6mm以下の場合は車検が通りません。
ディーラーなどに車検を任せる場合はプロが対応してくれますが、セルフで車検をする場合は見落としがちなところなので忘れないようにチェックしなければならない重要なポイントでもあるのです。
ひび割れの有無
タイヤで見るべきは溝だけでなく、ときたま発生するひび割れにも注意しなければいけません。
タイヤのひび割れとは文字どおりタイヤが裂けてしまう現象のことで、多くの原因はタイヤの空気圧不足のまま走行して負荷がかかり亀裂が入ってしまうことにあります。
たとえば空気がない状態のタイヤはスカスカで走れるには走れますが、その分タイヤを地面に押し付けるように走るのでタイヤと地面の設置面積が増えてタイヤの側面あたりにまで摩擦がおよび亀裂の原因になるのです。
自動車やバイクに乗りはじめた初心者ライダーですとタイヤの空気圧を見落としてしまいがちで、タイヤのひび割れが起きやすくなるので日頃から空気圧ともどもチェックするようにしましょう。
まとめ
あまり変化が見られないようなタイヤでも100km走れば0.02mm減りますし、10,000kmも走れば2mmも減り、日々少しづつ減り続けています。
つい見落としてしまいがちなところが原因で大きな事故をまねくことに繋がるので、今回の記事を機会にタイヤのセルフチェックをはじめてみてはいかがでしょうか?