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カスタムバイクショップのDeath Machines of London(DMOL)が製作したKENZOは、1977年式ホンダ ゴールドウィング GL1000をベースに製作されたカスタムバイクです。漢字にすると建造、ドストレートな名前だけでもインパクトの強いこのカスタムバイク、見た目も斬新なものとなっています。日本人とマン島TTレースという明確なテーマがあります。
KENZOとは誰なのか?
カスタムバイクの名前にもなっているKENZO(建造)、実はこの人物、日本人で初めてマン島TTに参加した多田健造という人物の名前に由来しているものなのです。日本人ライダーとして初めてこのイギリスで行われる(世界で最も死亡率の高い)レースに参加した人物として、リスペクトされていると考えても良いでしょう。
すでにお気づきの方もいるかと思いますが、バイクに当てられている建造という名前は細かくいうと間違いです(正しくは健造)。
武士の甲冑をインスパイアしたボディデザイン
こちらの写真がDeath Machines of LondonのKENZOです。見ての通り、今まで目にしたことのないデザインを持ったバイクとなっています。シートから前方が何かシールドで囲われているのではないかと感じさせるカウルのようなものが装着されています。DMOL自らが、「今まで製作した中で最もラディカルな(過激な)マシン」と述べているくらいです。
これには、武士の甲冑(かっちゅう)に影響を受けたことが大きく影響しています。また、フロントライトからフロントフォークを覆うように装着されているBlack ‘blade’ (黒刀)は武士の刀を表現していて、鏡面研磨が施されているのです。KENZOを語るうえで欠かすことのできないパーツとなっています。
パネル間には3Dプリンターで製造されたインナータイプのグリルが装着されています。まさに重装備です。
神秘的なデザインを持つタコメーター
パネルにはタコメーターが内蔵される形で取り付けられています。神秘的なデザインを持つこのタコメーターはDMOLのオリジナルパーツです。水墨画を想像させ、色具合も雰囲気も、武士がテーマの1つとされたKENZOのコンセプトにマッチしています。フロントライトとテールライトもDMOLが設計したオリジナルパーツです。
真上から見ると菱形みたいな形状をしています。リアエンドに向かって狭まっていくV型シートも特徴的です。リアフェンダーがないので街中で水たまりを走ったら背中に水が跳ね返ってくることでしょう。
手の加えらえたエンジンやサスペンション
サテンブラックに塗装されたフレーム内部に置かれているエンジン、今回のカスタムにあたってオーバーホールが行われました。オリジナルのカットマフラーも採用され、切れ味抜群なルックスです。
モディファイがなされたオーリンズ製サスペンションをフロントエンドに装着、ブレーキキャリパーにはブレンボ、さらにはホイールベースを100mm延長など、走行性能面でも工夫が随所に見られます。
一度は生で見てみたいカスタムバイク
ロンドンにあるカスタムバイクショップが日本人初のマン島TTライダーをテーマに製作したKENZOには、その独自のテーマ設定やデザイン力で独特の魅力を放っています。ぜひ一度、生で見てみたいカスタムバイクです。もし健造がKENZOを見たら、何を思うのでしょうか。