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スペインのバレンシア州にあるスエカ アイロン パフォーマンス サイクルズは国内でも腕の立つカスタムバイクショップの1つとして知られています。そんな有名ショップがヤマハXJR1300をベースにカフェレーサーを製作。正統派のスタイルだけでなく、ストリートの風景にマッチするカラーリングにも注目です。
正統派カスタムながらストリートアートにもなじむ
ベース車のXJR1300がスタンダードなネイキッドなためか、セパレートハンドルやヴィンテージ調のシートなどカフェレーサーの勘所をおさえたことで、正統派のカッコよさが際立っています。
スロープでトリックを決めているBMXや、ポップな文字のアートといったストリートの雰囲気とXJR1300がうまく馴染んでいるように感じませんか?ブラックベースのボディをキャンバスに見立てれば、その中で目立つタンクやサスペンションの鮮やかなイエローが象徴的に描かれていています。そこが、ストリートアートに通じるところなのでしょう。
それに、そもそもカフェレーサーというカスタムが1960年代のロンドンで流行していたストリートレースに始まりを持っているのですから、「ストリートつながり」としてみるとちょっと面白いですね。
カフェレーサーの基本をキッチリ押さえたカスタム
XJR1300のカスタムを細かく見てみましょう。燃料タンクは純正品をそのまま使用しているようです。しかし中央部には「34」のマークが。レースで使われるゼッケンのカッチリした数字とは違って、立体的で躍動感のあるフォントがストリートらしいですし、若々しさも感じます。
下向きのバーエンドミラーは、純正のカフェレーサーモデルではあまり見ないオシャレポイントです。
カフェレーサーになくてはならないセパレートハンドルはこのとおり。グリップに燃料タンクに近い色調のゴールドを差し色としてもってきているあたり、ビルダーのセンスを感じます。
クラシックな二眼のアナログメーターは取り外されており、ハンドル周りをスッキリさせています。かといって「速度や回転数なんてしったこっちゃねぇ!」なんて行き過ぎた割り切りをしているわけではないんです。
そう、ステムに埋め込まれている小さなディスプレイが実はデジタルメーター。おそらくドイツのMotogadget製モトスコープミニでしょう。スタイルと機能性を両立するいいアイデアですね。
シート周りには着座部分とそれ以外で異なる素材を採用することでコントラストを演出しています。カーボン調のように見えて面白いですね。
サスペンションは定番のゴールドケース輝くオーリンズ製ツインショックサスペンションをチョイス。オーリンズのサスで定番のイエローやブロンドもこのバイクによく馴染んでいますね。
4本のエキゾーストパイプには断熱材が巻かれています。ハンドメイドっぽさが出て、よりストリートバイクらしさが強調されています。
XJR1300は2006年モデルから排ガス規制に対応するためにインジェクションが採用されましたが、このマシンはキャブレターを採用しています。カスタムバイクでよく見かけるパワーフィルターもこの通り。このまま走ると雨天時に水分を含んでダメですが、ヴィジュアルからすればケースに隠れている純正品よりもメカメカしくてかっこいいではありませんか。
2020年代もカフェレーサーから目が離せない
正統派カフェレーサーであると同時にストリートの中でも映えるデザインのこのXJR1300は、まさに時代を超えてストリートで輝くカフェレーサー。2020年代のカフェレーサーシーンはどのように賑わっていくか楽しみです。