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ヤマハ XT600Zテネレというバイクをご存知でしょうか?パリダカールラリーに挑戦するべく1980年代に販売された、ヤマハを代表するオフロードバイクの1つです。長距離走行のための30L大容量燃料タンクにヤマハのオフロードバイク初となるディスクブレーキなど、ヤマハの本気度をうかがわせる一台でした。
そんなテネレをベースにイタリアのカスタムバイクショップ ノースイーストカスタムがスクランブラー化。ちょっとしたオフロードツーリングをライフスタイルにしたくなるようなクールなマシンとなっています。
フレームの冴え渡ったブルーに、フロントフォークカバーのイエローなど、派手なカラーリングで存在感バツグンです。1980年代のエンデューロバイクをコンセプトに製作されていて、スタイリッシュさの中にも昔ながらのオフロードバイクらしさがありますね。こうして写真に収めると20世紀に撮影された写真のように見えます。
こちらが純正のままのテネレ。ブルーのフレームはベース車と一緒なのですね。ちょっとポップすぎた元のテネレが、カスタムを通じて垢抜けたオフロードバイクへ変貌しているのがわかります。
ホンダ車向けレプリカタンクが装着されている
このカスタムの注目ポイントの1つが燃料タンクです。純正のタンクの代わりにホンダのレーサーレプリカ用タンクを流用。マットグレーに塗り潰され、タンクにはヤマハのロゴがペイントされているおかげでベースの面影は皆無。「ラベルつけたからヤマハ!」というのはちょっと子ずるい気もしますけど、オフロードバイクらしからぬ流線的な燃料タンクは文句なしにチャーミングです。
ビルダーのこだわりはまだまだ続きます。マットカラーをベースにした燃料タンクとサイドパネルに「YAMAHA 011」といった幾何学的なロゴを施すことでストリート感を出しつつ、同時にイエローとブルーのコントラストでポップさを演出するなど、ビルダーの美的感覚が積極的に表現されているのです。派手なデザインが前面に押し出された競技仕様のオフロードバイクとはまた違った「華やかさ」を感じさせてくれます。
実用性とデザイン性を両立させたカスタム
デザインだけでなく、機能性もちゃんと考えれています。未舗装路でのエンジンの破損を防ぐスキッドプレートを装着。これならとりあえずどこを走っても安心です。タイヤはもちろんオフロードタイプ。
本格的なオフロード車両と思いきや、転倒時にブレーキレバーやシフトレバーの破損を保護するハンドルガードや、泥から手を守るナックルガードは非装着。ガチガチのオフロード車両というよりも市販車の延長線上にある、オフロードも走れるオシャレなストリートバイクといったところです。サイドミラーが左側のみ装着されていたり左右でグリップの色が異なるなど、アシンメトリーなところも最高にクールです。ヘッドライトやフロントフェンダーも交換されてスタイリッシュになっています。
シートにはスウェード系のレザーを採用しています。オフロードバイクという特徴を考えると、汚れ耐性にも強く高級なレザーとして知られるヌバックである可能性が高いです。横縞のイエローステッチもバイクのカラーリングとうまく調和しています。オフロードバイクにレザーシートの組み合わせは意外とイケますね。むしろアリよりのアリです。
景色とバイクのデザインを味わうオフロード走行へ
林道で特別難しい走りをしたいわけではないけど、自然豊かで空気の美味しいところをバイクで走ったり、風景の良いところでバッチリ仕上げた愛車の写真を撮る。そんな景色とバイクを味わうオフロード走行にベストマッチなスクランブラーです。