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【トリビア】VMXってバイクの種類があるって知ってた?

【トリビア】VMXってバイクの種類があるって知ってた?

最近のバイクメーカーは純正カスタムともいうべき、スクランブラーやトラッカーといったジャンルのモデルを数多くラインアップしています。こうした動きと同調するかのようにカスタムシーンで耳にするようになってきたのが「VMX」という呼称。

もちろんヤマハの名車 V-MAXの略称ではありませんよ。

一体何を意味しているんでしょう。

 

年代モノのモトクロッサー「VMX」

【トリビア】VMXってバイクの種類があるって知ってた?

答えをいってしまえば何のことはありません。VMX / VMXerとはVintageMotoCross / VintageMotoCrosser(ヴィンテージモトクロス、ヴィンテージモトクロッサー)の略です。Vintageには様々な訳がありますが、ここでは「年代ものの」といった訳が一番しっくりくるでしょう。

 

オフロード過渡期の車両

年代モノのモトクロッサーっていってもパッとは思いつきませんよね。それこそ原点まで戻ろうとしたら、未舗装路が多かった時代のオンロード車から、オフロード走行に適するよう派生していったスクランブラーにまで行き着いてしまいます。

VMXはそこからさらにオフロード走行に特化させていく過程、かつ現代のモダンなオフロード車の設計思想と手法が確立する概ね1980年ごろまでのモトクロッサー(また、そういったカスタムを施した車両)を指すんです。

 

モダンなオフロード車のリアサス構成は、ホイールトラベルを稼ぎながら軽量化も実現できるリンク式モノサスが主流となっているのですが、それに対してVMXはスイングアーム直付式のダブルサス。年代的に前後ドラムブレーキであることも特徴です。

競技はゆる~い

競技としてのVMXはモトクロスと呼称されてこそいますが、公式レースではない比較的ゆるいイベントばかり。走る本人がよければトレール車やスクランブラー、トライアラーでも問題ない場合が殆どです。

ローカルなイベントなだけにレギュレーションは様々で、大雑把に「何年式以前」とされている場合もあれば、年式やサス、そしてブレーキ形式が細かく規定されていることもあります。例えば、「何年式以前(ただしダブルサス・ドラムブレーキならそれ以降でもオッケー)」といった具合です。

同様のレギュレーションで、ヴィンテージダートトラックヴィンテージトライアルが開催されていることもあります。

 

わりと多様なVMXer

【トリビア】VMXってバイクの種類があるって知ってた?

では実際にどんな車両がVMXerと呼ばれているのかというと、各メーカーのその時代のMX競技用車両の他、主なところではヤマハの名車SR系誕生にあたってのベースになったことで有名なXT500や、ホンダのXLシリーズなどがあります。

VMXの良さをオーナーに聞いてみた

筆者のバイク仲間に、VMXのひとつスズキ TS250ハスラーに乗っているスズ菌患者がいるので話を聞いてみました。2st中毒でRG500γ、RGV250γも所有しており、弟のラインアップもRG500γ、RMX250S、DR250と兄弟揃ってかなりの重症です。

 

【トリビア】VMXってバイクの種類があるって知ってた?
Q:このバイクを選んだポイントやきっかけは?

A:やっぱり「仮面ライダー」のバイクだからかな。あと、ハスラーに多い黄色と白じゃない、タンクのモスグリーンとティアドロップの造形がお気に入り。

 

Q:走らせてみてどう?

A:競技としてはやってなくて、比較的フラットなところで「ごっこ」的なことくらいしかしないんだけど、バイクに「乗せられて」無理な領域にまで簡単に入っていかないところがいいよね。あまり張り切りすぎると意外と簡単に底づきするんで、ついつい労わっちゃうし。もっとも上手い人なら弘法筆を選ばずなんだろうけど(笑)。

 

【トリビア】VMXってバイクの種類があるって知ってた?

Q:なんかカッコも当時風でキメてますね。

A:仮面ライダーだけじゃなく、70年代からのモトクロスにも憧れてたからね。ワールドチャンピオンの渡辺明選手にならって、スコットのゴーグルにフェイスマスクを付けてるよ。ジャージは山本勝司選手から直接いただいたお宝です。

 

競技はしていないとのことでしたが、バイクに「乗せられて」無理な領域にまで簡単に入っていかないというのは、アマチュアレーサーが楽しくレースを続けていくには重要な要素かもしれませんね。

 

全国で楽しめるVMX

関東では10年以上の歴史を誇るヴィンテージモトクロスミーティングやチキチキVMX猛レース、中部・関西ではオンエニーサンダ、そして広島のエンドレスサマー、九州ではHSRのVMXミーティング等、探せば全国で参加できるイベントが見つかります。

いずれも過去の開催模様を見る限り、純粋な速さや勝敗よりも、いかに参加者(とその同行者)全員で楽しむかといった運営方針と大会模様をうかがうことができます。

 

前項でも触れた、ヴィンテージ車両のレースならではの無理できない、もしくはしたくないといったところもあって、より一層そういった空気を醸し出せているのかもしれませんね。

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