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サイズや構造などによって難易度が変わるとはいえ、DIYでタイヤ交換ができれば、脱メンテナンス初心者の証です。通販で安く新タイヤを購入できれば一般的な店頭価格との差額に加えて、工賃見合いの5,000~1万円を浮かすこともできてコスパも良し。
とはいえ、車種や用途によってはホイールバランスもとりなおしたかったり、廃タイヤをどう処分するかといった問題も起こります。今回の記事では、これから自分でタイヤ交換をしてみたいといった方にむけて、廃タイヤをどう処分すればよいかをご紹介します。
基本的には有料でもサクっと処分してしまうことをオススメ
バイク屋や用品店で新しいタイヤを購入して交換してもらった場合は工賃に含まれていますが、それ以外のケースで古タイヤを持ち込んだ場合はどうなるのでしょうか?
バイク屋、用品店、ガソリンスタンド等は場所によって異なる
引取りはしてくれますが、そこで新しいタイヤを買った場合よりも割高の、1本につき200~800円程度の有料となるのが一般的です。ただし、持ち込みは一律で不可としている店もあったり、地域により処分費が違いますから、事前の確認はしっかりとしておきましょう。
廃品回収業者も1本数百円程度
上記の店頭と同じく、廃品回収業者の場合も1本につき数百円くらいです。トラックで巡回しているところを呼び止めたり、持ち込みをすれば1本2本であれば無料でOKなこともあります。
ただし、引き取りに来てもらった場合は出張費見合いでかなり高額となることもあります。やはり事前の確認と相見積もりはしておいたほうが安心です。
使えそうなタイヤはリサイクルショップやネットオークションに流す
サイズアップやダウンをしてみたり、タイヤの銘柄を変えてみたもののうまく自分には合わなかった……なんて場合には、まだじゅうぶん使えるタイヤが手元に残ります。
その場合はバイク部品も扱うリサイクルショップや中古部品を扱う量販店等に持ち込みましょう。ビードに余計なキズができないように丁寧に外さなければなりませんが、無料で引き取ってもらえるどころか、買取ってもらえることすらあります。
「まだ十分使える」=売物になるかどうか?の判断は先方次第ですが、ホイール付きならまだしも、処分目的でツルツルだったり、賞味期限切れでカチカチに硬化したタイヤ単体を持ち込むのはやめておきましょう。そのまま持ち帰る羽目になります(笑)。
ネットオークションへの出品も有効ですが、売れるかどうかは状態によります。「え、ゴミじゃないの?」といったものもありますけれど、価値を見出すのは買い手次第なのでダメもとで出すのもアリといえばアリです。
でも、出品や発送の手間はかかりますし、面倒くさい落札者に引っかかってしまうリスクを考えるとちょっと上級者向けなことは否めません。
タイヤを運搬するときのポイント
なお、持ち込みの際にバイクで……というのはやめておきましょう。ミシュランのキャラクター「ビバンダム」や2014年に放映していた「仮面ライダードライブ」のごとく、自らの体に廃タイヤを装着して走行なんていう人をSNSや動画サイト等で見かけることもありますけれど。
ネタとしてはそこそこ美味しいかもしれませんが、普段より運転しづらくなりますからね。動画に収めるなら、そのシーンだけ近場で撮っておいて、あとはクルマを使って運搬するのが一番です。
ショップに持ち込むなら、その際新タイヤを組んだホイールも一緒に持っていくと良いでしょう。車体から外した状態なら、冒頭で併記した「ホイールバランス」もはるかに安い工賃で調整してもらえるので一石二鳥です。
DIYなら無料で処分できちゃう!?
実は、ひと手間かけるだけで普通に家庭ゴミとして捨てることもできます。
必要な道具は2つ
- 大きくて頑丈なカッター、またはナイフ
- ワイヤーカッター
筆者の場合はディスクサンダー、ジグソー(ともに金属用刃を使用)といった電動工具を使いました。
やり方はタイヤを三枚おろしにするだけ!
- タイヤ単体の状態から、ビードワイヤー(金属)の入ったビード両側を切り取り、3つの部分に分けます
- ビードを細かく切り分け、金属ゴミとして分別
- 残ったタイヤ本体も細かく切り分け、燃えないゴミとして分別
ここまで分解してあげれば、分別して捨てることができます。ただ地域によってルールが異なるので、事前の詳細な確認は必ずしておきましょう。
もし回収されずに置いていかれてしまうと、犯人捜しに躍起になったヒマじ・・・・・・もとい、オバちゃん刑事やご隠居ポリスの監視がつくこともありますから。
なお、バイク用ラジアルタイヤの場合は要注意。構造補強材として、強度としなやかさを併せ持つポリアミドやケブラー等の化学繊維が使われているのですが、クルマ用と同様に鉄が使われているものもあります。後者の場合はこの方法は使えないと考えたほうがよいでしょう。
とりあえずやってみたことのある立場からいってしまえば、手持ちの電動工具を使っても数百円をケチるのにはあまりにも割に合わないというのが正直な感想です。
このためにワイヤーカッターや電動工具を買おうともなると、なおさらです。「あー、そこらに置いといて」で済むような懇意にしているバイク屋やガソリンスタンド等がなくとも、有料でも引き取ってくれるところがあれば、素直に持ち込んでしまうのが正解でしょう。
おまけ:もひとつ昔話でもいかが?
筆者が上記のタイヤ三枚おろしを試してみた背景にはやむにやまれぬ理由があります。引っ越して以前のように気軽に持ち込めるショップがなくなってしまい、しばらくは庭に放置していたのですが・・・・・・
溜まった雨水のおかげでいつしかタイヤが「やぶ蚊発生装置」になってしまいました。これは大変だと耐えきれずやってみたものの、コスパと顛末は上記のとおりあまりオススメできない結果となっています。
さらに今よりもはるかにおおらかだった時代の話ですが、冬場のモトクロス場のパドックに持ち込んでたき火に投げ込み、暖をとりながら処分といった所業に及んでいたこともあります。
すさまじい煤煙から漠然と「あんまいいことではないな」とは思っていたものの、当時は農作物の凍霜害防止のために廃タイヤを燃やす習慣のある地域も多く、周囲の人も含めてそれが当たり前だと考えられていたんです。
少なくとも今では完全に違法で、警察や消防の厳しい指導と罰則を受けることになるのでマネしてはいけませんよ。