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20XX年、世界は核の炎に包まれた。だが、人類は死滅していなかった!…なんてことは現実にはありませんが、そんな世界で屈強なモヒカンたちの愛車になっていそうな、圧の強いカスタムバイクが登場しました。
スペインのカスタムショップ「El Solitario(エル・ソリタリオ)」から発表された「IMPOSTOR」というカスタムバイクです。いかつい見た目に加えて「詐欺師・偽物」を意味するなんとも不穏な名前。個性の塊のようなIMPOSTORが気になって仕方がありません。
ベースはシンプルな正統派バイク BMW「Rnine T」
ベース車になっているBMW「R nineT」は2013年に販売開始されたヘリテージスタイルのバイクです。ヘリテージは遺産・継承という意味。無駄のないクラシックな見た目と最新テクノロジーを贅沢に使った中身が上手く融合していて、非常に人気のあるバイクです。
様々なカスタムのベースにもしやすく、そこが仇となってしまったようです。シンプルで正統派なR nineTが、アウトローはカスタムを得意とするEl Solitarioの手に掛かるとこんなワルになってしまうとは…。
Rnine T世紀末仕様、3つの注目ポイント
見るものがそう感じるのを裏付けるように、El SolitarioのビルダーたちはIMPOSTORを「Bosozoku-Chopper Racer」と呼んでいます。つまり「暴走族」。日本のサブカルチャーを参考にしているため「世紀末仕様」という呼び方も実は案外間違っていないんです。
美しさや実用性には全く興味がないと宣言しているEl Solitario。パワーや恐れ、危険などの属性が存分に取り入れられた独自の世界観をIMPOSTERは、以下の3つの工夫によって見るものの目を引く最恐バイクとなりました。
名前の由来になった、個性あふれる「カウル」
IMPOSTOR(詐欺師・偽物)という名前は、このインパクトが強い鉄格子のようなカウルが由来。本来は空気抵抗を減らし、バイカーへの風当たりを和らげる役割をもっていますが、見ての通りスカスカです。空気の流れのコントロールはできません。「本来の役割を果たさない」ということから「IMPOSTOR」と名付けられたというワケ。
実用性を気にしないというビルダーの潔さがなければ、このようにカウルを鉄格子状にするという個性あふれる発想は生まれなかったでしょう!
恐ろしい雰囲気を演出する「ペイント」
鉄格子に目を奪われがちですが、その中身のペイントも注目ポイントです。全体がツヤなしのブラックでいかつく仕上げてあるのに加え、ガソリンタンクに刻まれた文字。まるで暴走族の落書きのようにワルさを感じるとともに、なんともいえない不気味さを演出しています。
鉄格子からのぞく複数の「ライト」
鉄格子カウルからのぞく前4個、後ろ15個の小径ライトも恐ろしさをアップさせています。バイク全体が荒々しいのでライトも乱雑なのかと思いきや、なぜかキッチリと整列。そのギャップがまたおもしろく、牢屋からこちらをのぞく囚人のように筆者は感じました。
タイヤの横に一個だけついた大きなライトはイエローに光り、199X年からきたようなレトロな印象もありますね。
漫画の荒廃した世界から飛び出してきたバイク
都会よりも廃れたビル群が似合いそうなこのバイク。モヒカンにしてボウガンを持って…なんてわけにはいかないので、筋肉をつけて体格をよくし、革ジャンを着て乗ってみたいものです。
R nineTはカスタムのベース車としてメジャーなので、数多くのパーツが市販されています。もしかしたら、自力でIMPOSTORに近いバイクを生み出せちゃうかも?とりあえず鉄パイプを曲げて溶接だ!