fbpx
一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

市街地や自転車ショップでも見かけるようになってきたミニベロ。ロードレーサーやマウンテンバイクに乗っている方には「小さなタイヤだし、漕いでも漕いでも進まなそう」とあまり好意的には見られていない気もします。

でもミニベロには、ミニベロだからこそ楽しめる世界があるんです!歩くくらいののんびりペースでも走れるので普段気づけない風景に出会えたり、小回りが利くため、気になった裏道にどんどん入っていけたりと、自由な走りが得意。

ハマる人はハマっちゃうミニベロの魅力と、その先駆けとなったモールトンについてご紹介します。

 

キュートで気軽な日常の相棒「ミニベロ」

一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

小径タイヤのコンパクトな自転車「ミニベロ」は、見た目のキュートさがポイント。小さいタイヤからニョキっと伸びたシートポストやハンドルなど、見た目のアンバランスさが何ともお茶目に見えてくるほどです。一般的な自転車のイメージをデフォルメしたような愛らしさから、女性にも人気があります。

 

タイヤが大きなロードレーサーやマウンテンバイクは、それなりのペースで長い距離を走れるように作られているので、ゆっくり走るのがちょっと苦手。対して、ミニベロなら徒歩くらいのゆっくりペースも楽々にこなせちゃいます。

特にロードレーサーは「乗る時間をしっかり作って、ウェアも気合を入れて乗る!」って方も多いかもしれませんね。でもミニベロなら何の気負いもいりません。気の向いた時にいつもの服装でサッと走り出せる。そんな気軽さも魅力なんです。

 

ミニベロの先駆者「モールトン」

一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

MOULTON「SST-SP」 実売価格:31万9,000円(税込)

そんなミニベロの起源は1962年にまでさかのぼります。開発したのは、イギリスの自転車メーカー「モールトン(アレックス・モールトン・バイシクルズ)」。設立者のアレックス・モールトン氏の「それまでにない自転車を作ろう」という思いが形となって誕生したのが、ミニベロでした。

ちなみにアレックス・モールトン氏は戦闘機のエンジンや、クルマの分野で新しい形態のサスペンションを開発するなど、多くの輝かしい実績を持つ技術者。過去に培った技術や知恵がモールトンの自転車には活かされています。

 

その高い性能を表す逸話には事欠きません。1986年に伴走車なしの独走で時速82kmという世界記録や、アメリカ横断5,000キロを10日間で走破などなど……。それにしても小径ホイールでここまでスピードがでるなんて、どんなマジックなんでしょう。

 

ハンドメイドのAMとライセンス品のTSR

モールトンには大きく分けて「AM」と「TSR」の2つのシリーズがあります

AMシリーズは、モールトン氏の邸宅の庭にある自転車工房で熟練工によって一台一台手作りされたモデル。TSRシリーズはモールトンのライセンスをもとに、イギリスのパシュレイ社によって生産されているシリーズです。

 

TSRに比べ、AMはより車重も乗り味も軽いのが特長。モールトン氏の邸宅で生産されていることにちなんで、「The Hall」の称号が付けられています。当然その分高額なので、まずは手ごろなTSRから乗り始め、モールトンの魅力に取りつかれた人だけがAMを手にするというケースが多く見られます。

 

モールトンならではの魅力

一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

モールトンの魅力は絹のように滑らかに走る乗り心地のよさです。剛性の高さと柔軟さを兼ねるトラス構造のフレームに、モールトンがこだわる前後のサスペンションによって、路面追従性とコーナー時の安定感を高めています。

「シルキーライド」とも称される乗りやすさに加え、独走での世界最高速度記録を持つなど高い走行性能も兼ね備えています。

 

また、モールトンはミニベロの中でもモデルの種類が豊富なものの、それぞれ生産台数が少なめです。希少価値が高く、自分だけの自転車がほしいという方にとってはよきパートナーとなることでしょう。

 

モールトンの美しいモデル群

グレードが違うとはいえ、TSRもAMもそれぞれを象徴するステキなモデルが存在しています。

 

エントリーながら走りは軽快そのもの:TSR-9 SP

一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

MOULTON「TSR-9 SP」 実売価格:33万5,500円

TSR-9はイギリスのパシュレイ社で生産される、モールトンのエントリーモデルです。実のところ、TSRはトラベル・スポーツ・レジャーの頭文字から取られたシリーズ名で、チョイ乗りからスポーツ走行までをカバーした「どんなシーンでも気軽に乗れるミニベロ」として生産されています。

サスペンションはAMシリーズとほぼ同じパーツを使って作られているので、エントリーモデルであってもモールトンが持つしなやかな乗り心地は健在。ギアはリアのみの9速で、フロント・ディレーラ用の取り付け台座も付いているので、フロント・ギアの追加も可能な拡張性の高いモデルです。

 

ザ・モールトンというべき高性能モデル:AM-20 Mk.2

一度ハマったら抜け出せない!ミニベロの先駆け「モールトン」って知ってる?

MOULTON「AM-20 Mk.2」 実売価格:70万4,000円

AM-20 Mk.2はAMシリーズのスタンダードモデル。創業時にモールトン氏が考えた理想を受け継いできたAMシリーズの中でも、当時のスタイルを維持されており、まさにモールトンらしい一台です。

路面の凹凸への追従性が良く、乗り心地が良いリーディング式フロントサスペンションにラバーコーンを採用したリアサスペンション、キングピン1本を抜くことで簡単にフレームが前後分割できるなど、高性能さと整備性の高さを兼ね備えています。

 

まだまだ知る人ぞ知るブランドという印象のモールトンですが、近年ではヨーロッパやアジア圏などを中心に世界的な人気が加速しています。日本でも年々入手困難になる一方です……。もし店頭でモールトンを見かけたら、ミニベロの中でも特に美しいといわれるフレームの造りに着目してみてください。自転車好きなら思わず見惚れてしまいますよ。

Writer: サクミライ

Information

モールトン
公式サイト

Keyword

Recommend

今、あなたにオススメ