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筆者は大学生だったころ2回原付を盗まれました。1台目は50ccアメリカンのホンダ「JAZZ」で、2台目は50ccスクーターのホンダ「Dio」。どちらもチェーンロックを付け、ハンドルロックもしっかりとかけて駅の駐輪場に一晩置いていたのですが、翌朝には姿も形もなくなっていました。
警察に届けましたが、2台とも見つからず早10年。もう出てくることもないでしょう。
大切に乗っていた愛車が見当たらないときの焦りや怒り、そして悲しみは相当なものです。こんな思いをしないためにも、バイクの盗難防止策を怠らないようにしましょう。
大前提:バイク盗難はプロの仕業である
鍵を付けっぱなしで放置してしまえば簡単に盗めますが、実は鍵をかけていても簡単に盗まれることがあります。なにせ、バイク盗難はプロによる犯行ですから。
チェーンロックは油圧カッターでもあればバツンと簡単に切れちゃいますし、ハンドルロックに至ってはムリやり壊せます。人力で動かせない柵や地面とバイクつなぐ地球ロックもありますが、そもそもチェーンを切られたら意味がありません。
また原付ともなれば、大人が数人いれば持っていける重さです。JAZZなら車両重量が83kgしかないので、大人4人いれば持ち上げてそのまま盗めます。
このように、どんな対策がしてあろうと、盗もうと思えば盗めてしまうのです。相手は「盗んでやるぞ!」と意気込んで準備も完璧にしているプロ。そもそも狙われないようにすることこそが、重要な対策なのです。
狙われやすい状況を作らない
筆者がバイクを盗まれた原因を思い返してみると、下のように狙われやすい状況を作ってしまったからといえます。
- 目立ちやすく人気車種であったこと
- 一晩放置した
- 駐輪場が混雑していたため、端の目立たないところにバイクを置いていた
- 安物の細いチェーンロックを使っていた
隠れて作業できますし、さぞかし犯人にとってはオイシイ物件だったのでしょう。そもそも狙われないように、下記のような対策が必要だったのです。
バイクを目立たせない
筆者のバイクは夜間に一台だけポツンと駐輪場の隅に止まっていました。盗もうと意気込んでいる犯人にとって、とても目をつけやすいことこの上ない。その上、夜間だと人通りもありませんし、カモネギもいいとこです。そこで心がけたいのが……
- たとえチェーンロックをしてあっても一晩放置しない
- (自宅保管の場合)バイクカバーをつける
の2点です。バイク盗難の約半数は自宅の敷地内といわれています。黒やグレーのバイクカバーをつけておけば夜でも目立たなくなりますし、車種が何か分からなくなりますね。
盗難に手間がかかることをアピールする
次は見つかった後の対策です。盗難に時間がかかることをアピールします。太いチェーンロックをつければ単純に強度があるので破壊に時間がかかります。
ブレーキディスクをロックしてタイヤを回らなくする「ディスクロック」も有効です。ピンが完全に隠れるため油圧カッターが入る隙間がありません。ピッキングするしか解錠方法がないので、盗むのに時間がかかります。
どんな盗難防止アイテムでも、盗難を防ぐものというよりは「盗難に時間をかけさせるもの」という認識の方が正しいです。1個だけでなく、2個、3個と複数組み合わせると、窃盗犯が嫌がって手を出してこなくなる可能性が高まります。
防犯登録と盗難保険に加入するのもアリ
これだけ対策しても絶対に盗まれないなんてことはありません。リスクを軽減するために、バイクの防犯登録と盗難保険への加入もアリです。
警察と連携したオンライン網が早期発見に。バイクの防犯登録
バイクの防犯登録は日本二輪車普及安全協会と販売店、警察が連携し、盗難車の早期発見を目指すシステムです。税込1,080円で10年間、警察のデータベースに愛車の情報が登録されます。警察官が不審なバイクを見つけ所有者確認をして、盗難車と被害者の紐付けをしてくれるので、早期発見につながります。
パーツだけの盗難やイタズラも補償する盗難保険
民間の保険会社が提供しているバイクの盗難保険もあります。パーツの盗難や鍵穴へのイタズラも補償してくれるプランもあることがメリットです。
年会費は必要ですが、盗まれるリスクの高い人気車種に乗っている方は加入しておくと安心ですよ。
盗まれるかもしれないという危機感を忘れない
盗難は事故と同じで自分ではどうしようもない部分もあります。100%盗まれないようにするのは不可能、ロックは盗難に時間をかけるだけという認識を忘れないようにしましょう。