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往年のBMWモーターサイクルの代名詞といえば、唯一無二のボクサーツイン(水平対向2気筒)エンジンですよね。そして、同社のマシンはエンジンの造形美と存在感を活かしたカスタムベースとしても注目されており、とりわけカフェレーサーカスタムに人気が集まっています。
そんな中、スペインのカスタムショップ「Bolt Motor Company」が製作した斬新なグラフィックのトラッカーカスタムを発見しましたので、ご紹介したいと思います。
ベース車となったBMW「R100RS」とは?
さてさて、ご紹介するカスタムバイクのベースとされたのは、BMWが1976~1984年まで生産していたフラッグシップモデル「R100RS」です。
当時のシーンを知るライダーであれば「BMW=R100RS」と言うほど同社の代名詞となっていたモデルであり、量産市販車として初めてフェアリングを装備した世界最高峰のツアラー。
当時のフェアリングということもあり非常に大きいですが、快適性の高さは折り紙付き!こR100Rsは現在でもマニアのみならず人気の高いモデルとして中古市場でも約100〜350万円のプレミア価格で取り引きされています。
Bolt Motor Companyによるトラッカーカスタム「BOLT #7 V.2.」
コチラが今回ご紹介するカスタムバイク「BOLT #7 V.2.」。製作したのは、スペインはバレンシアでBMWベースのカスタムを得意とするBolt Motor Companyです。
なお、マシンネームは同社が製作したカスタムマシンの通し番号であり、7番目の作品であるということです。
こちらのカスタムマシンの特徴は大きく分けて3つあり、まずはR100RSの象徴とも言えるフェアリングの排除。次に、軽快なスタイリングを印象付ける跳ね上がったシートレールとリア周り。最後に、ポップアートを彷彿とさせる大胆なグラフィックです。
フェアリングレスでスッキリ!
R100RS純正フェアリングをごっそり取り払い、トラッカースタイルを印象付けるゼッケンプレート風のフォークカバーをセット。マットブラックとソリッドブラックを使い分けたペイントもオシャレですね!
トラッカースタイルの要とも言える幅広のバーハンドルをセット。また、ゼッケンプレートによって居場所を失ったヘッドライトはフロントフェンダーの上にセットするというユニークなアイデア。
リア周りをスッキリシャープに一新
また、軽快なトラッカースタイルへと変身を遂げるべく、シートレールや一部フレーム、スイングアームも一新しています。
これによって、やる気みなぎる前傾のフォルムを得ています。
また、クラシカルなフラットトラックレーサーの雰囲気を醸し出すべく、前後ホイールがスポーク化されています。長いリアサスペンションも当時感を演出しています。
大胆なアートワークにも注目
「BOLT=稲妻」ということで、同社のエッセンスが盛り込まれたポップアート的なビビットなアートワークにも注目です。
ベースをモノトーンの稲妻ストライプに、手書き風の「BMW」ロゴが絶妙にマッチ!トラッカースタイルとの相性もバッチリです。
ガソリンタンク上部には、シグネチャーよろしく手書きで「BOLT 07 v2.0」の文字が。こういった”抜け感”を演出するバランス感覚も、優れたビルダーのデザインセンスと言えます。
ちなみに、この見事なトラッカースタイルに仕上げられた「BOLT #7 V.2.」というマシンネーム。薄々勘づいていた方もいるかもしれませんが、”V.2.”はバージョン2を意味しており、過去に”V.1.”も存在していました。
「BOLT #7 V.1.」はもっと無骨だった
こちらが「BOLT #7 V.1.」です。フォルムこそ似ているものの、細かいディテールが異なります。
まず、シートレールの形状がV.2.よりもコンパクトで、リアにディッシュホイールが装着されています。また、この時はまだ純正キャストホイールでした。
さらに、ブロックタイヤや素地にクリア仕上げのガソリンタンクが荒々しく無骨な印象を与えます。
今回は、スペインのBMW系カスタムを得意とするカスタムショップ「Bolt Motor Company」が製作したトラッカーカスタムを紹介しましたが、実は同社の製作するユニークなカスタムマシンは、他にもまだまだあります!
良質なカスタムのお手本として、またの機会に紹介したいと思います。