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教習所で習う運行前点検、みなさん覚えていますか?最初こそがんばっていたかもしれませんが、だんだんと面倒くさくなってきてスルーしがちですよね。そうなると目に見える症状がでて、はじめて愛車の異変に気づくなんてはめになることも。
洗車はするけれど、メカはさっぱり……なんて初心者バイカーも点検を心がけておくと安心です。この機会に、基本的な部分をおさらいしてみましょう。
呪文で覚える日常点検
「ネンオシャチエブクトウバシメ」……なんだか呪文のような言葉ですが、一度は教習所で耳にしたことがあるハズ。覚えやすいかどうかはさておき、これだけチェックしておけばOKという日常点検の内容を語呂合わせ的に並べたものです。
さすがに乗車前に毎回というのはキツいですが、ロングツーリングに出かける前あたりには、それぞれをじっくり見ておくとよいでしょう。それぞれ何を意味するかというと・・・・・・
ネン:燃料
日常点検ではガソリンタンクの残量を見ておけばOKですが、漏れの有無や燃料の質(新旧)の確認も頭の片隅には留めておくとよいです。
オ:オイル
エンジンオイルの量や質を確認します。2ストローク車のほかCVT式AT車の場合はミッション(ギア)オイル側も忘れずに。
シャ:車輪
日常点検ではタイヤの空気圧、摩耗具合、異物の噛み込みを見ますが、スポークの緩みや曲がり・折損等もチェックしましょう。
チ:チェーン
張り具合が適切かどうかと、コマの固着の有無を見ますが、チェーンだけではなくスプロケットの摩耗度合いも重要です。
エ:エンジン
日常点検でできるのは目視でのオイル・冷却水漏れ、異音・異臭の有無や、プラグコードの緩みをチェック。
ブ:ブレーキ
ブレーキの効きや遊びをチェックします。フルード量と状態、パッド(シュー)の残量のほか、ワイヤー式のものではワイヤーの状態も含みます。
ク:クラッチ
クラッチは切れ具合や遊びをチェックします。油圧式のものではフルードの量と状態、ワイヤー式のものではワイヤーの状態も含みます。
トウ:灯火類
ヘッドライトやウインカーなど、全ての灯火が正常に点灯・消灯・点滅するかをチェックします。
バ:バッテリー
バッテリーはエンジン始動や灯火類を点灯するのに不足がないかをチェックします。
シメ:締め付け具合
ボルトやネジなど、グラつきやガタつきのある部分がないか、締めるべき部分がきっちり締めつけられているかをチェックします。
といった具合です。もちろんベルトドライブやシャフトドライブ等、別の機構で代替されているバイクでも基本は一緒です。
日々の点検は4つだけ!
とはいえ、さすがにこれだけの項目を毎回見ているとかなり大変。そんなときは「ブタと燃料」だけ確認しておきましょう。
ブ:ブレーキ
タ:タイヤ
ト:灯火類
燃料:燃料
この4項目は乗車前点検として習慣づけしておくのがベストです。
ユーザーマニュアルはひととおり目を通しておこう!
とはいえ、ただ「見る」だけでは不十分なのも確か。きちんと正常かどうか「診る」ことが求められますが、整備に不慣れな人ではその判断に困ってしまうことでしょう。
そこで役立つのがメーカー発行の取り扱い説明書です。日常点検レベルのチェック方法とそれぞれの調整範囲、場合によってはDIYで解決できる方法から、即販売店に持ち込むべしといった判断基準も記載されていますので、手元にあれば必ず一度は目を通しておきましょう。新車には必ず付属していますし。
もっとも中古車ではすでになくなってしまっているケースが大半です。そんなときは、バイク屋やオークションで購入してしまいましょう。Webで電子版を無料ダウンロードできるようにしてくれているメーカーもあるので、一度調べてみるのも手です。
また、ユーザーマニュアルの上位バージョンとして、そのバイクの修理方法まで網羅した「サービスマニュアル」も用意されています。DIYでメンテナンスをがんばりたいという方は手に入れておいて損がないですよ。
一般論オンリーで診ていると、意外とそのバイクにとっては間違いだったということもありますし、最初に「正解」を把握しておくことは重要です。正しい点検方法を知って安心のバイクライフを送りましょう。