この記事の目次
カーボンニュートラル、SDGs等に向けて様々な企業やメーカーが技術開発を進めるなか、ベルギーを拠点に活動する「ON」のデザイナー兼エンジニアであるBen Surain氏と、e-モビリティのコンサルを務めるGuy Salens氏が、「E-Core」を用いてホンダ・ダックスの電動化に成功しました!
50ccクラスの車両を電動化する「E-Core」に注目!
“E-Core”はカブをはじめモンキーやダックスなど、ホンダの50ccモデルのレトロな外観はそのままに電動化する代替エンジンで、プラグアンドプレイ(特別な設定をすることなく差し込んで使える)デバイスにあたります。そのため取り付けのための穴あけや溶接の必要がなく、バイクを売却する際は純正の姿へと簡単に戻すことができます。
まず、このプロジェクトはE-Coreを持続可能な方法で生産するために、適切な材料選定や3Dプリント、レーザーカットなどといった加工技術を見つけることからスタートしました。
スピードとトルクは本来のポテンシャルの半分に制限し、最高時速は45kmほどになるようセッティングされています。そして、スイングアーム、サスペンション、12インチのアルミホイールはこの車両に合わせて新調しています。
E-Core Daxの乗り心地は?
そして完成したE-Core Daxがこちらです。
基本的なディテールはそのままに、ロンスイの影響かややスポーティーに仕上がっています。オーダーによってこの様な仕様へと仕上がっていますが、純正スタイルのままエンジンを電動化することも可能です。※スロットルやメーター、チェーンなどの変更が必要
実際に完成したE-Core Daxを試乗した、Guy Salens氏は以下のように語っています。
「ホンダ ダックスを試乗したことはありませんが(比較はできません)、E-Coreエンジンのパワーは確かに感じました。電動バイクにしては驚くほどの加速です。私たちはブランケンベルヘのワークショップを後にし、リスセヴェーヘに通じる小さな曲がりくねった道を冒険しました。趣のある小さな町。私の身長(182cm)と体重(80kg)にもかかわらず、この小さなバイクはロケットのように轟音を立て元気よく走り出しました。走る・曲がる・止まるといった基本動作において不安要素は一つもありませんでした。速度を45km/hに制限しても非常に気持ちよく、ありがたいことにチェーンから気になる音もありませんでした。」
ちなみに、Ben Surain氏はプライベートトラックで時速85kmで走行したこともあるそうです。
E-Coreは今後発売予定!
今後はユーザーの好みに合わせて調整した「ON #pushthebuttontoday」の製品を、世界中の代理店や販売店を通じて販売していきたいとのこと。
フレームの色と車種(ダックス、モンキー、カブなど)が選べ、標準的な販売価格は5,000ユーロ(日本円:約74万4,00円〜)。今回ご紹介したE-Core Daxは特別なパーツ(スイングアーム、サスペンション、ホイール)のため、販売価格は5,800ユーロ(日本円:約86万4,00円)とのことでした。
また、E-Coreは単体でも購入が可能で、3,499 ユーロ(日本円:約52万円)で発売されます。※バッテリー1個と充電器1個が含まれます。
今回は電動化されたダックスをご紹介しましたが、今後レシプロエンジンが使用不可になったとしても、E-Coreがあれば電動バイクとして永く乗り続けることができそうですね!
E-Core Daxのスペック
モーター | IPM |
---|---|
航続距離 | 50km/h |
バッテリー(HGサムスン製) | 48V 24Ah |
最大トルク | 215Nm / 4,400rpm |
車両重量 | 17kg |
防水等級 | IP67 |
価格(税込) | 5,000ユーロ〜(日本円:約74万4,000円〜) |