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バイクに乗る上で必要な税金・ガソリン代といった数々の費用。できるだけ安く抑えたいところですよね。そこで125cc以下のバイクに乗っている方に一考していただきたい制度が「ファミリーバイク特約」です。
自動車保険に付帯できるので、場合によっては毎月かかる保険料を大きく抑えられます。決して難しい制度ではありません。上手に使って賢く節約しましょう。
あなたも保険料が安くなるかも。ファミリーバイク特約の概要
ファミリーバイク特約とはざっくり言うと「自動車保険に付帯された、125cc以下のバイク保険」です。バイクに付ける任意保険と同じように、事故で自分や他者が死傷してしまった場合や、モノを壊してしまったときに保険金がおります。
「自動車保険のおまけ」という感じではなく、補償内容もしっかりしている所がポイントです。
気になるメリット4つ
排気量に制限はつくものの、まとめると下記のようなメリットがあります。お得かどうかはバイクの使用用途や、バイクを取り巻く環境などによるので、よく理解しておきましょう。
保険を利用しても等級に影響しない
任意保険は「ノンフリート等級」が採用されています。簡単にいうと「無事故だと翌年の保険料が安くなり、事故を起こして保険金を請求すると高くなる」というもの。しかし、ファミリーバイク特約で保険金を請求しても「ノーカウント事故」として扱われるので、保険料も値上がりしません。
借りたバイクも補償範囲
自分や家族の所有するバイクはもちろん、借りたものでも補償の範囲内。仮に借りたバイクの持ち主が保険に入っていなくても補償の対象になるのは安心です。
年齢制限なし
ファミリーバイク特約に年齢制限はありません。クルマの保険に運転者年齢条件を設定していても大丈夫。年齢に関係なく保険の対象です。若ければ若いほど任意保険は高額になるので、ファミリーバイク特約での節約効果が高まります。
家族で何台でも同じ金額
バイクの任意保険はバイク1台につき1契約ですが、ファミリーバイク特約だと何台所有していても1契約でまかなえます。家族それぞれがバイクを所有している、一人で何種類も乗っている方は大幅な節約が目指せます。
ちなみに、ここでいう家族というのは……
- 記名被保険者
- 記名保険者の配偶者
- 記名保険者、配偶者の同居の親族
- 記名保険者、配偶者の別居の未婚の子ども
のこと。ざっくりいえば、「同居の家族+別居している未婚の子ども」を指しています。意外に範囲が広く、使いやすい特約なのです。
こちらも見落とせない。デメリット4つ
メリットがあればデメリットもあります。加入した後に「思ってたのと違う!」とならないように悪いところも覚えておきましょう。
ロードサービスはない
いざという時に助かるロードサービスですが、ファミリーバイク特約には付帯しません。通勤通学・買い物など近所の移動にバイクを使う方はロードサービスがなくてもなんとかなることも多いです。しかしロングツーリングを常とする方は、いくら保険料が安くなるとはいえちょっと不安かもしれません。
車両保険はない
ファミリーバイク特約に車両保険はありません。たとえクルマの車両保険をつけていても、自分のバイクへの保険金は一切おりません。しかし、事故相手の車両の修理費用は補償範囲内なので安心してください。
単体で加入できない
クルマの任意保険の契約なしにファミリーバイク特約のみの契約はできません。あくまで特約、つまり契約のオプションのような立ち位置なので両者は必ずセットです。
無事故でも安くならない
任意保険なら、保険料を請求しないと毎年保険代が安くなります。一方、ファミリーバイク特約はいつも変わらず同じ料金。だいたい3年から4年程度保険料を請求しないと、任意保険の方が安くなるケースもあります。
ファミリーバイク特約は近場メインの複数代持ちにオススメ
結局のところ、ファミリーバイク特約は制限があるゆえにオトクという面が多分にあります。下記のような方は任意保険をバイク単体にかけるよりも、ファミリーバイク特約の方が安くなることがあるので、保険料をぜひ計算しなおしてみてください。
- 家族で複数台のバイクを持つ
- クルマと125cc以下バイクの2台持ち
- 3〜4年程度の短期間でバイクに乗る
- 通勤通学・買い物など近場で使うのがメイン
ファミリーバイク特約にも「自損」「人身傷害」の2種類ある
さらにいえば、ファミリーバイク特約には2種類あります。自損タイプ・人身傷害タイプ、両者で最も違う部分は「相手がいる事故において、自分のケガのどこまでが補償されるか」です。次のようにそれぞれまとめたので、自分のスタイルにあった方を選んでください。
自損事故のみを補償。自損タイプ
- 対人補償(他人のケガの補償):あり
- 対物補償(他人のモノの補償):あり
- 自分のケガの補償:自損事故のときのみあり
- 自分のモノの補償:なし
自損タイプは自損事故のときのみ自分のケガの補償がおります。補償範囲が狭い分、保険料も安く設定されています。
相手がいる事故でも補償範囲内。人身傷害タイプ
- 対人補償(他人のケガの補償):あり
- 対物補償(他人のモノの補償):あり
- 自分のケガの補償:あり
- 自分のモノの補償:なし
人身傷害タイプは相手がいる事故でも自分のケガを補償してくれます。手厚い分、保険料が高くなっています。
自分にあった保険を選び、バイクの維持費を安く抑えよう
ファミリーバイク特約を選択すれば誰もが保険料を安く抑えられるわけではありません。長い間無事故で等級が高い人なら、そのまま任意保険の方がお得であることも多いです。
自損タイプでいいのか、人身傷害タイプにしたいのか、バイカーの考え方によっても違いますね。比較検討して、自分が一番納得できる保険を選んでみてください。