この記事の目次
このところ、125ccモデルの躍進が目立ちます。先日、配信させていただいたスズキ「GSX-R125」を始め、アプリリアからも「RS125」「Tuono125」といった魅力的なモデルが発表されています。
しかし、今回紹介させていただくのは、スズキでもアプリリアでもなく、FB Mondial社のスクランブラー「HPS125 Hipster」です。
FB Mondial HPS125 Hipster
これがインターモト2016で発表されたスクランブラー「HPS125 Hipster」です。
エンジンは「ピアジオ」から供給される4ストローク、DOHC単気筒を採用しています。排気量はもちろん125ccです。最高出力は11kW / 9,750rpmと、このクラスでは充分すぎる性能となっています。
リアはツインサスペンションのコンベンショナルな車体構成として作られ、クラシカルなスクランブラー・スタイルとして仕上げています。車重はまずまず軽量な130kg(乾燥重量)です。
FB Mondial社は、第二次世界大戦直後に創立された名門ブランドです。クラシカルな路線のデザインが良い感じですね。小規模メーカーらしく、ディテールにこだわった作りも魅力の一つです。
HPS125 Hipsterのディテール
こだわったディテールの象徴が、スクランブラーのキモとなるのが右2本出しのアップマフラー。キマっています!
美しいデザインのシングルシートは、カラーはひと工夫してブラウンを採用。小排気量モデル特有の安っぽさを払拭するかのような高級感を醸し出しています。
フロントフォークはφ41mmの倒立を、ブレーキはペタルディスク。懐かしさだけを追求せず、機能に影響を与える部分には最新パーツを装備している点も良い感じです。
メッキ処理されたフロントフェンダーのデザインもカッコいい!
リアブレーキもペタルディスク! ナンバープレートホルダーのステー2本がメッキ処理されているのは少々残念。ここはマットブラックの一択でしょう。
前後ホイールサイズは前18、後17インチ。街乗りばかりでなく、走りも楽しめるサイズです。
スクランブラー・モデルとは言え、さすがはイタリアンだけあり、ハンドルバーはかなり低めにセットされています。ミラーはバーエンドタイプ。グリップはシートレザーと合わせたブラウン。
細かな部分にも配慮している姿勢が伺えますね。
HPS125 Hipsterのカラーラインアップ
カラーラインアップは、これまで掲載していたグレーのほか、
ここに掲載したような幾つかのカラーを用意しています。シルバーが最も「FB Mondial」らしいかなと思います。
FB Mondial とは
今さらながらですが、FB Mondialについて説明しましょう。1936年にボゼッリ兄弟がブランドを設立。本格的なオートバイメーカーとしての活動は第二次世界大戦後の1948年です。
イタリアン・メーカーらしくレース活動を積極的に行ったことで知られています。高回転高出力型エンジンを搭載したレーサーを開発、10回も世界チャンピオンに輝いた名門メーカーです。ホンダが世界のサーキットに進出する際、「FB Mondial」のレーサーを参考にした、という逸話が残っています。
ところが、FB Mondial社は続く販売不振により、レース活動から撤退を余儀なくされ、1979年には解散の憂き目に……。
現在の「FB Mondial」は、ブランドオーナーのピエール・ルイジ・ボゼッリ氏と、イタリアのPelpi international社がパートナーシップを組むことで、ブランドを復活させようとしています。
自社の歴史を大切にしつつ、こだわりを持った魅力的な車両をリリースした「FB Mondial」。今後の復活を応援したいメーカーです!
VINTAGE LIFE (ヴィンテージライフ) Vol.20 [雑誌]