古いバイクや中身がサビ始めたガソリンタンクを使う時には、タンクとキャブレターの間にガソリンフィルターを追加して対応するのが常套手段。
しかし、昔の(特にホンダ社製バイクの)ガソリンコックにはガソリンに混ざった不純物を濾しとるための”フューエルストレーナー”が、コックに付随する機能として備わっていたものです。
写真はFTR250のガソリンコックなのですが下の部分がキャブレターのフロート室の下のドレンのようにも見えますよね。これが”フューエルストレーナー”だ。
スパナで回すと簡単に外れます。このフューエルストレーナーに不純物が溜まるようになっているのだ。
つまりガソリンフィルターいらずなのです!
おそらく1980年代後半から一度も開けられていないであろう30年物のフューエルストレーナーの溜まり具合を見てみましょう。
サビやらホコリやら判別不能な”物体X”を大回収! フューエルストレーナーが付いている車両はたまには開けてメンテナンスしてあげて下さいね。
今はバイクも四輪と同様にガソリンを電磁ポンプで送るインジェクションの時代になったので、ガソリンコックやフューエルストレーナーといった機構は忘れ去られていく存在になってきた。
でもこういった「イチイチ手間がかかる部分」もしくは「儀式」というものは旧車の面白さでもあるような気がします。時代の流れで消えていく、「良いモノ」から「良かったモノ」として思い出に変わってしまう”虚無感”のような感覚だと思います。