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ホンダから早々に国内投入がアナウンスされたため、販売開始を待たれていた方も少なくないことでしょう。ホンダの新型アドベンチャーモデル「X-ADV」、遂に国内販売が開始されました!
そこで今回は、この「X-ADV」が発売されるまでの経緯を振り返りつつ、同モデルをご紹介しましょう!
世界初公開はミラノショー2015
2015年ミラノショーで世界初公開されたコンセプトモデル「City Adventure Concept」。コレが全ての発端でした。
当時のリリースでは
City Adventure Conceptは、全く新しいアドベンチャーモデルの提案です。市街地でのライディングにもアドベンチャーのスピリットを取り入れました。Honda独自のテクノロジーを進化させながら、お客様のより豊かなライフスタイルの方向性を提案しています。
とされています。
非常にザックリ申しますと、「コミューター + アドベンチャースピリット = X-ADV」ということですかね?
日本初公開は東京&大阪モーターサイクルショー2016
その「City Adventure Concept」が、そのまま持ち込まれたのが、東京&大阪モーターサイクルショー2016。当時はスペックは非公開で、ホンダの担当さんに話を聞いてみても
ユーザーさんの反応を見たいのですが、ノーマークみたいです。エンジンは750ccクラスを想定していますが……
という感じで、日本での感触は今一つ、という風にお話されていた記憶があります。
ミラノショー2016を前に市販化を発表
ところが! ヨーロッパでは好反応を得ていたのでしょう。ミラノショー2016を前に、2017年中の市販化が発表されたのです。そしてミラノショー2016で発表されたのが……
「X-ADV」と名前を変えた市販バージョン! 当時のリリースによりますと……
「X-ADV」は、冒険心をくすぐるオフロードモデル的外装を備えつつ、コミューターとしての機能を完全装備した、新ジャンルを切り拓くニューモデル
とされています。驚くほど、当初からのコンセプトが変わっていないことに気付きます。
X-ADVとは
そしてコチラが今回、めでたく国内販売された「X-ADV」。
ホンダのビッグスクーター「インテグラ」のために新設計された総排気量745ccの水冷4ストローク2気筒エンジンを搭載。さらにホンダが積極的に装備を進める”DCT”を装備しています。
比較的ビッグスクーターに近いイメージの「インテグラ」では、このエンジン&DCTの良さを充分に楽しむには役不足な面もありましたが……
モーターサイクルタイプのトラベル量が多い前後足回りを装備しているため、存分に走りを楽しめる、というのがポイントです。
その走りのワクワク感を生かして……
「ちょっと郊外まで走っちゃおうか?」という軽い冒険気分を味わうためのアドベンチャータイプの外装ということでしょう。
プレミアム感を備えたアクティブなフロントビューが印象的です。細く、吊り上がった2眼LEDヘッドライトの中央に、メッシュ調のフロントグリルを配置。フロント全体の造形は、スラントノーズで力強さを強調しながらも、フロントカバー、サイドカウル、アンダーカバーの統一されたキャラクターラインによって、プレミアム感を兼ね備えたアクティブなフロントビューとしています。
転じてサイドビューは、乗降性に配慮しながらも、前後それぞれの塊感を強調。アクティブな走りを予感させるダイナミックなサイドビューとしています。
小型LEDテールランプがボディーに設置されていますが、コレは完全にモーターサイクルのリアビューと言えましょう。非常に軽快で好ましい感じです。
さて、もう一度パワートレインに戻りますが、エンジンは、低中回転域で力強いトルク特性を発揮する745cc水冷4ストローク直列2気筒。DCTを標準装備しています。基本的に「インテグラ」を踏襲している、と考えて良いと思います。
シフト操作の自動/手動が選択可能。ローレシオのトランスミッションギアを採用し、信号の停止や発進などが多い市街地でも機敏な加速感を追求しているだけでなく、DCTのDモード、Sモードでは低いギアを活用し、アップダウンやコーナーが多い郊外などのワインディングで、よりスポーティーなライディングフィールを楽しめます。
そして本モデルをユニークなものにしているのが、前後の足回り。フロントは、153.5mmのロングストロークを確保したインナーチューブ径φ41mmの倒立タイプ。リアは、150mmのアクスルトラベルを持つプロリンク方式を採用。
フロント、リア共にプリロード調整機構を採用し、乗員数や積載量の変化による車両姿勢をライダーの好みに調整可能です。さらにフロントには減衰力調整機構(伸び側)を採用しており、より好みに合った乗り心地にセッティング可能としています。
コレは完全にスポーツバイクの仕様と言って差し支えないでしょう。
新設計されたスイングアームにも、本モデルらしさが表れています。クロス部を中空構造、アーム部をコの字断面とした、軽量で高い路面追従性を追求した一体型アルミスイングアームを採用。都会にマッチするスタイリッシュな外観を持つと共に、市街地はもちろん荒れた舗装路やフラットダートなどでの軽快な走行に寄与します。
コミューターとしての実力は申し分なし!
外観・エンジン・足回りが良いことは分かったけど、では本業? のコミューターとしての能力は、と申しますと……
それは申し分なし、です。
スマートキーを標準装備していたり……
あっ、残念ながらシート下の収納スペースには、フルフェイスヘルメット1個しか入りませんね……容量は21L。ここは多少犠牲になっている部分ですね。
見やすい多機能スピードメーターを装備しています。インジケーターは別体とされていますが、これは慣れることでしょう。
X-ADVの価格は……
さて、遂に国内販売が開始された「X-ADV」。気になる車両本体価格(消費税込み)は……
- デジタルシルバーメタリック 120万9,600円
- ヴィクトリーレッド 124万2,000円
とされています。「インテグラ」と比較すると容赦ない値上げとなっていますが、仕様変更を考慮すると、仕方ないところでしょうか? コレがどう出るのか……
記事末尾にスペックを掲載しておきます。ミラノショー2016のときから少しだけ変わっていますので、ご興味のある方は比較してみてください。
X-ADVのスペック
- 全長×全幅×全高:2,230×910×1,345mm
- ホイールベース:1,580mm
- シート高:790mm
- 車両重量:238kg
- エンジン種類 / 弁方式:水冷4ストローク2気筒 / SOHC4バルブ
- 総排気量:745cc
- 内径×行程:77.0×80.0mm
- 圧縮比:10.7
- 最高出力:40kW(54PS)/ 6,250rpm
- 最大トルク:68Nm(6.9kgf・m)/ 4,750rpm
ミラノショー2016の記事
https://forride.jp/motorcycle/x-adv_detail