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ハスクバーナ(Husqvarna)と言うメーカーを、バイク好きなら聞いた事がある人も多いハズ。しかし、街中で見かける事は少なく、どこか謎多きメーカー…… そんなイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は読者の皆様にハスクバーナに少しでも興味を持って頂き、知識を一段深めてもらえる様な記事を書いてみようと思いリサーチしてみました。
元々は銃器メーカーだった!
1689年にスウェーデン・ストックホルムにて当時の国王の令の下、スウェーデン王室に納めるマスケット銃を製造する為に発足しました。社名の由来は、最初の工場がスウェーデン南部を流れるハスクバーナ川の近くに建てられたことに拠ります。因みにハスクバーナとは「風車」を意味するそうです。
その後、確実な工業技術を確立し、1872年からは鋳鉄製のキッチン用品とミシンの製造に着手。1896年からはバイク作りの基盤とも言える自転車を造り始めます。産業革命後のニーズに応えるべく舵をとって行ったわけですね。
メーカーロゴは銃口と照準をデザイン化したもの
メーカーロゴは銃口側から見たピストルがデザインされた物なんです。先にも書いた通り銃器メーカーがバックボーンにあるからですね。上部の王冠の様な三本の角は、照準のリアサイトとフロントサイトな訳です。男心くすぐるデザインですよね。ガッツリ銃口向けられている状態ですが(笑)
20世紀頃からバイク製造を開始
バイクの歴史としては1903年から製造を開始しました。ハーレー・ダビットソンと同期ですね。初期の頃のモデルは正に”原動機付き自転車”と言う感じ。
1920年代頃からはサイドバルブエンジンを搭載し、バイクらしい香りが漂ってきます。ロードレースなどにも積極的に参加していきました。ハーレーのモデル5-Dなどにも通ずる空気感がありますね。
1950年代頃からモトクロスフィールドで活躍
モトクロス世界選手権が始まった50年代からは圧倒的な強さを発揮し、これまで獲得した世界タイトルは70以上にのぼります。テレスコフォークや油圧式ダンパー、そしてフレームマウントのエンジンなど革命的なモデルを世に送り出しました。この時代に今に至るまで脈々と受け継がれるDNAが誕生したのです。
現在は上画像の様なエンデューロ、オフロードモデルを主力としたラインナップを展開しています。街で見かける事が少ないのはその殆どがオフロードを走っているからなんですね。
とはいえ、しっかり現在のニーズに添った上の様なオンロードモデルも用意されています。オフロードで培った走行性能がしっかりとフィードバックされています。現在ドゥカティに迫るほどの販売台数ですが、日本での市場はまだまだこれから伸びていきそうです。周りと被る事が少ないハスクバーナが愛車なんて趣を感じませんか?愛車選びに悩んでいる方は是非候補の一つに入れてみてください。
元BMWグループ、今はKTM傘下
2007年に9300万ユーロでBMWに買収されたハスクバーナでしたが、2013年にKTMの親会社ピエラ・インダストリーAGに買収されています。スポーツ方面でのKTMと、伝統あるブランドとしてのハスクバーナという使い分けでヨーロッパを中心としたバイク市場でラインアップを展開しています。
農林器具のメーカーとしても有名
バイクとは遠くなってしまうのであまり多くは書きませんが、ハスクバーナはチェーンソー等の農林器具の製造も有名です。
果てには作業用ブーツまで出している中々手広いメーカーです。カワサキ重工と同じく、とあるビッグカテゴリーで様々なモノづくりをしている企業は息が長いです。ハスクバーナの根底には、アウトドアと森をこよなく愛する精神があるのかもしれませんね。